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ハイパーコンバージド HPE SimpliVityのヒミツ② 扱うデータが小さいことは「正義」だ!
前回の記事では専用のハードウェアアクセラレーターカードが、超高速にデータを「圧縮」、「重複排除」し、データを小さくしてくれることをご紹介しました。保存データが小さいと、ディスクが小さくて済むのはお得かもしれません。しかし、そんなケチな話だけではないのです。ここまでデータを小さくするのにこだわるのは、大きな理由があるのです。
扱うデータが小さくなると下記のようなメリットが生まれます。
①書き込み・読み込み時間が短縮されて、パフォーマンスが向上する
扱うデータが小さくなればディスクへの読み込み、書き込み時間も当然ながら短くて済みます。圧縮や重複排除を行うための時間は確かにかかりますが、ディスクへの読み書きに比べたら無視できるほどの時間であり、システム全体のパフォーマンスとしては大きく向上することとなります。
②バックアップにかかる時間が大幅に短縮、高頻度にバックアップすることが可能に
大きなデータのバックアップは時間もかかりますし、CPUやメモリを必要としてしまい、バックアップを実行すること自体が動作している本番システムに影響を与えてしまいます。そのため、本番システムが稼動していない夜中にバックアップを取るということが一般的に行われています。
しかし、バックアップするべきデータが小さくなれば、短時間に、しかも本番システムに影響を与えずにバックアップすることが可能となります。
SimpliVityを利用することにより、圧縮、重複排除機能により、バックアップするべきデータを小さくすることが出来るので、バックアップの頻度を毎日から毎時間に変更するということも可能となります。実際、海外のSimpliVityのユーザーの多くは、導入後、バックアップの頻度を大幅に短くしています。
バックアップを行うのは、非常に簡単です。vCenter上で、バックアップしたい仮想マシンを右クリックし、”Backup Virtual Machine”を選択するだけで、仮想マシンを丸ごとバックアップすることが可能です。
前回のバックアップの時からの変化が少なければ、前回からの変化分のみをバックアップするので、数秒でバックアップが終了することも多々起こります。これらのデータの比較は重複排除の機能が全自動で行ってくれるので、利用者は意識をせずに、”Backup Virtual Machine”を押すだけです。
もちろん、このボタンを押す作業自体も決められた間隔で自動実施させることも可能です。
毎日夜中にバックアップを取っている場合、例えばその日の夕方にデータを失ってしまう事件が発生したとします。そうすると、その日の朝から夕方までのデータを丸ごと失ってしまうこととなり、ビジネスの継続に大きな影響を与えてしまいます。
SimpliVityを導入すると、バックアップの頻度を数時間、数十分単位にすることが可能となるので、不幸な事故が発生しても失うデータは最小限で済み、ビジネスの継続が可能となります。
「そんな、丸ごとデータが消えちゃうなんて、そうそう起こらないでしょう」
いえ、データは消えるだけでは無いのです。最近、世の中を震撼させている、ランサムウェア(身代金)ウイルスの登場により、状況が一変しました。ランサムウェアに感染すると、データを消去することはしませんが、データを勝手に書き換えてしまい、元に戻すことが不可能となってしまいます。こんなときに高頻度にバックアップを取っておくことにより、被害を最小限に済ますことができるのです。
③DR(災害対策)サイトをコストを抑えて構築可能に
本番サイトが地震やその他で被災をしてしまった場合に備えて、多くの企業ではDR(災害対策)サイトを離れた場所にネットワークを介して設置しています。
しかし扱うデータが大きい場合、大量のデータをネットワークを通じて送らなければならないため、時間がかかってしまいます。本番サイトとDRサイトのデータの同期がリアルタイムに行えなくなり、万が一本番サイトが被災して、DRサイトでシステムが起動できたとしても、肝心のデータが古いものであれば使い物にならなくなってしまいます。
また、ネットワークの回線も広帯域のものが必要となり、コストが非常に高くなってしまいます。
SimpliVityを使うと全自動で本番サイトとDRサイトの間でもデータの圧縮、重複排除を行うので、DRサイトに送るデータを非常に小さく出来ます。ネットワーク回線も細くて安いものが利用可能となり、DRサイトのコストが大幅に下がります。そして、高頻度にデータの同期を行うことができるようになるため、万が一の被災時、業務をしっかりと継続することが可能となります。
このように、圧縮と重複排除機能で取り扱うデータを小さくするというのは、ただ単にディスクを節約できるというメリット以上に、バックアップや災害対策サイトのデータ同期などのデータマネージメントにおいて大きなメリットがあるということをご理解いただけたのではないでしょうか。
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