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Discover 2016 Las Vegas レポート(後編) ~IoTソリューションとThe Machine

Hewlett Packard Enterpriseが年に2回アメリカとヨーロッパで開催するDiscoverでは、新製品や開発中のテクノロジー、戦略的提携などが発表されます。前々回では戦略的提携に、前回は新製品について触れてきましたが、今回はIoTソリューションとThe Machineについてご紹介します。

 

IoTソリューション

多岐にわたるデバイスから生み出されるIoTのデータは、大量でタイミングも種類もばらばらです。しかも、多くの場合それを瞬時に正確に処理する必要があります。

HPEにおけるIoTへの取り組みHPEにおけるIoTへの取り組み

HPEIoT分野に接続性の確保、データを取り扱う製品群、計算処理を司る製品とソリューション、そしてデバイス管理ソリューションを提供していきます。さらにそれら全体のセキュリティの確保、バリューチェーンを実現するIoTプラットフォーム、導入から管理、分析、ガバナンスに至るサービス、そしてパートナーエコシステムを結びつけます。

今後10年間で44Z バイトになるとも言われるIoTから生まれるこのデータをデータセンター内に格納することは、技術面、セキュリティ面、コスト面で課題があり、いかにエッジ側つまりデバイスに近いところで判断しデータを間引くか、ということがとても重要になります。リアルタイムでの処理や管理には、エッジ部分でのコンピューティング能力が有効です。これらのエッジにおけるテクノロジーの中でもIoT に特化したものとして、HPEは新しく  ‘Converged IoT System’  を発表しました。これが前回紹介されたEL1000およびEL4000です。このConverged IoT System上ではHPE Verticaによる分析やAruba ClearPassを用いたセキュアな通信を実現でき、エッジにおけるエンタープライズクラスのデバイス管理や迅速なデータ処理が可能になります。

IoTにおいても、HPEが重要視しているのはパートナー様との関係によるエコシステムの構築です。既にNational Instruments社、PTC社、General Electronics社などと提携を進めており、幅広いコネクティビティを実現しお客様の IoT に関する多様なニーズに迅速にお応えします。

データやその分析の側面では、構造化・非構造化のデータを扱えるテクノロジーとともに、データサイエンティストやエンジニアを用意して、お客様への支援を提供しています。また、アプリケーションの開発・維持を迅速かつ効率的に進めるための、HPE Universal IoT Platformの提供も行っています。

このように、単にIoTから得られたデータをクラウドで処理する、というモデルから一歩すすめ、その間をきちんと埋めていくというのが、HPEIoT戦略の特徴です。

The Machine

The Machine60年続いたコンピューターの基本的なアーキテクチャを一新し、CPU中心のコンピューティングをメモリ主導型のコンピューティングに変えるという、HPEの最も大きな開発プロジェクトであり、そのコンセプト名です。


プロセッサー中心からメモリ主導型コンピューティングへプロセッサー中心からメモリ主導型コンピューティングへ今のコンピューターは階層化された記憶領域を持ち、汎用CPUと銅線上を流れる電子で情報のやりとりが行われています。The Machineは今後登場してくる不揮発性メモリにより記憶領域の階層をなくし、銅線を光通信であるフォトニクスに変えることで距離と帯域の制限を大幅に緩和することで巨大なメモリープールを形成します。データは常に消えずに存在するため、CPUは時々に用途に特化したSoCに変えることができ、データ保持、通信とともにCPUでも大幅な省エネルギー化を実現するものです

基調講演二日目の冒頭では、Star Trekとのコラボレーションで製作された動画(:後日日本語字幕を入れた物です)が流されました。

またMeg Whitmanの説明の後、2年前の発表からこの日プロトタイプとして実際に展示された実機が生まれるに至るまで、Hewlett Packard Labsの研究員などが登場して語る動画も流されました。

基調講演二日目の冒頭の動画。Star Trekとのコラボレーションによる制作      The Machineの歩み基調講演二日目の冒頭の動画。Star Trekとのコラボレーションによる制作      The Machineの歩み

Hewlett Packard LabsのThe Machine DistributionHewlett Packard LabsのThe Machine Distribution

ハードウェアの研究もさることながら、新しいアーキテクチャ上で動作するソフトウェアの研究も行われており、これらは全てオープンソースとして公開されていきます。既にgithubに上げられている物はHewlett Packard LabsのWebサイトからもたどることが出来ます。

 

 

 

 

 展示会場(パビリオン)

パビリオン会場に目をうつすと、Hewlett Packard Labsのブースは会場のほぼ中心に据えられ、動画にあった実機の展示も行われていました。これらの展示には開催期間中常に多くの人が立ち寄り、その注目度の高さがうかがえました。

最終日にはヤフー株式会社様にパネルディスカッションにご登壇頂き、会場数カ所で催されている30分のミニシアターの中で最も盛況となりました。

HPEは中央研究所であるHewlett Packard Labsで研究されているThe Machineの研究成果を、今の製品に活かすことも試みています。フォトニクスや不揮発性メモリのみならず、Container OS、Composable Data Fabric、不揮発性メモリを活用するプログラミングモデルなど、今後続々と発表される製品やコンセプトにもその成果がみられますので、是非ご注目くださいラックマウントタイプのThe MachineプロトタイプラックマウントタイプのThe Machineプロトタイプ最終日にはヤフー株式会社様にもご登壇いただいたパネルディスカッションもあり、会場数カ所で催されている30分のミニシアターの中ではもっとも盛況でした。

HPEは中央研究所であるHewlett Packard Labsで研究されているThe Machineの研究成果を、今の製品に活かすことも試みています。フォトニクスや不揮発性メモリのみならず、Container OS、Composable Data Fabric、不揮発性メモリを活用するプログラミングモデルなど、今後続々と発表される製品やコンセプトにもその成果がみられますので、ご注目ください。

( 文責:The Machineエバンジェリスト 三宅 祐典 )

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「HPE Tech Power Club」のコミュニティアカウントです。テクノロジスト、アーキテクト向け情報を発信します。