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HPEストレージフォーラム2017 イベントレポート
みなさんこんにちは高野です。
去る10月19日に品川のGRAND HALLにてHPEストレージフォーラム2017(http://h50146.www5.hpe.com/events/seminars/info/storageforum2017.html)が開催されました。今回はこのイベントレポートをお届けします
例年開催されているこのイベントでは、単なるテクノロジーの紹介だけではなくマーケット・トレンドや業界、お客様事例など多岐にわたって紹介しています。当日は、あいにくの雨模様でしたが230名を超えるお客様に参加いただきました。
会場のキャパシティを超えてしまって、窮屈な思いをされた方いらっしゃったら済みませんでした。
冒頭のセッションではアジア・パシフィック地区のCTOを担当しているポール・ハーバーフィールドより「データセンターの未来」についてのセッションがありました。
ポールのセッションでは問題提起からスタートしました。現状「アプリケーションから要求とデータサービスのサービス提供(性能など)の間にギャップが生まれている」事が大きな問題となっているという事です。現在のインフラはクラウドのようなシステム提供(プロビジョニング)スピードに対応するソリューションに対応できつつある(HCIが良い例ですね)ものの、運用が始まった後のアプリケーションからの要求とインフラ側のパフォーマンスのギャップには中々対応しきれておらず、原因の特定に大きな時間を費やしているという事です。
上記のスライドにあるようにストレージに問題があるというお問合わせが、実はストレージ以外に原因があったというケースは半分以上となっています。
こういったケースにはHPEはInfosightをベースとした”予測分析”によりギャップを埋めるアプローチを取っていきます。
2つ目のセッションではインテルの松村様より「次世代SSDテクノロジー」のお話としてインテルOptane™ SSDのご紹介をいただきました。
インテルOptane™ SSDはHPEではSCM(Storage Class Memory)と呼ばれており製品では3PARに搭載を予定しています。
インテルOptane™ SSDですが、下記のように低レイテンシーが必要な環境では抜群な性能を発揮します。
現在オールフラッシュストレージで提供しているNAND型のSSDはハードディスクに比べると高IOかつ低レイテンシーではあるものの、多重書き込み処理が走ると多重度が増えるに従ってレイテンシーがどんどん高く(遅く)なったり、リアルタイム処理を必要とするデータ基盤ではレイテンシー性能が十分ではありませんでした。
こういったケールに対してストレージのキャッシュとしてインテルOptane™ SSDを搭載することで常に安定した低レイテンシー環境を作る事ができます。
3つ目のセッションは日本ヒューレット・パッカード 通信メディアCTOの重松より「IoT実現に向けたITインフラ全体像と活用例」のお話をさせていただきました。
セッションは主に事例をベースに解説を行っていましたが、個人的には以下のスライドは非常に重要だと思っています。
IoTの話をするとどうしても「情報を吸い上げる」ところだけにフォーカスしがちですが、吸い上げた情報をどう貯めるか?貯めた情報をどう分析するか?分析結果をどう活用・反映するか?を考慮した上でシステム全体を考えないと、せっかく貯めた情報が活かせなかったり、吸い上げる情報が十分で無かったりしますので、是非この視点は考えていただきたいポイントです。
4つ目のセッションはお客様事例としてNTT PCコミュニケーションズ 萩原様より「仮想化サービスにおける新ストレージ基盤の導入について」講演いただきました。
NTT PCコミュニケーションズ様では「SuitePRO® V4サービス」の基盤としてHPEの3PARを採用いただいていますが、旧環境から新環境へ移行するにあたって、以下の3つが改善したとの事でした。
1.SANゾーニング設定の簡略化
HPE Smart SANの導入によりサーバー交換などでHBAが変わってしまった場合も、ゾーニングの再設定は自動で行われる為工数が大幅に削減
2.インライン重複排除による効果
導入して10ヶ月を経過した時点で、導入前に想定した期待を上回る導入効果が出ている
3.バックアップ処理の長時間化の解消
バックアップ処理の長時間化が課題となっていたが、以下のように劇的なバックアップ時間の短縮が図れた
とても参考になる具体例ですが、メーカー側の我々としても実運用をベースにお話していただけると非常に説得力があり勉強にもなります。
最後は私から「AR/VR/MR、IoT、AI/ディープラーニングなど先進事例から読み解く次世代インフラに必要な要素とは?」というお話をさせていただきました。
どちらかというと表題に上げた技術はアプリケーション視点から語られる事が多いと思いますが、インフラかつストレージ視点でまとめてみました。
まずAR/VR/MRに代表されるアプリケーションはリアルタイム処理のレスポンスが重要です。センサーや専用グラスから入力される現実情報とそこに投影するシステム情報をほぼ同期のレベルで連動させる必要があります。
せっかくセンサーはから情報が入ってきても、システムがそれに対応する指示を出すのが1分後だったら、多分使い物にならないでしょう。
これにはシステム全体のレイテンシーを考慮する必要があります。
これは1つ目のセッションでポールが言っていたインフラとアプリのギャップに繋がりますし、解消するには2つ目のセッションでインテルさんからご紹介があったインテルOptane™ SSDのような製品をうまく活用する必要があるでしょう。
2つ目のIoTですが、各種センサーから上がってくるデータは非常に大きいという特徴があります。
現在地球上には10~12ZB(ゼタバイト)のデータがあると言われていますが、これが2020年には40ZB、2025年には163ZBを超えると言われています。
そして増大するデータ多くは人間が作り出したデータではなく、機械が自動で出力するデータだということです。
この貯める領域に専用ストレージを入れるのは非常に非効率です。この領域にはx86サーバーをベースとしたSDS(Software Defined Storage)が向いています。
まず必要な分だけ買っておいて、データの増加い合わせてノードを追加していくというやり方ですね。数百TBを超えるようなんデータをお持ちの方であればオブジェクト型の Storageも良いかもしれません。最近はオブジェクト型といってもNFSやCIFSのインターフェースを持っている製品も出てきていますので、導入も比較的簡単になりました。
ちょっと気をつけてていただきたいのが、オブジェクト型のストレージはランダム性能はあまり高くないものが多いので、データの貯め場/バックアップ/アーカイブの用途が良いでしょう。
最後にAIですが、HPEはAIのエンジンを提供しているわけではありませんが、その基盤となるHPC向けの製品を出しています。
今年買収を完了したSGIも今後このレイヤへ向けた製品になっていくのでしょう。
もう1つのアプローチはポールセッションでも出てきましたInfoSightです。
InfoSightのエンジンにはデータアナリストにより人的分析だけでなくAIの技術も取り入れられています。
(InfoSightって何という方はこちらもご参照ください)
これによりお客様の運用負担を減らすだけでなく、メーカーとして製品や保守の品質を上げる事ができます。
InfoSightについては3PARはじめHPEのポートフォリオへ拡大する予定ですのでご期待でください!
2017年のストレージフォーラムレポートは以上です。
2018年のストレージフォーラムでは恐らくNimbleストレージも入ってきて、よりディープかつ面白いセッションとなると思いますので、ご興味ある方は是非ご参加ください。
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