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HPE Storage Forum 2017/ HPE 3PAR User Forum 2017 イベントレポート
2017年10月19日(木)、品川GRAND HALLにて、3PAR ユーザーフォーラム2017及びHPE ストレージフォーラム2017 ~IoT/ビッグデータ時代のデータ活用事例~ が同時開催されました。
主催側の予想を大幅に上回る、238名のお客様がご来場され、非常に活気のあるイベントとなりました。そのイベントの内容を少し紹介します。
前半の3PAR ユーザーフォーラム2017は、HPEの主要ストレージ製品3PARを既にご使用になられているユーザー様限定のイベントとなっており、3PARの最新ロードマップ等の情報が入手できます。HPE社員でさえ初めて耳にするような計画段階の情報を、米国本社ストレージ事業部門の3PAR製品責任者から直接聞けるということで、毎年遠方から足を運んで下さるお客様もいらっしゃいます。
今回は、米国本社ストレージ事業部門のシニアディレクター Vish Mulchand、ソフトウェアアーキテクト Alex Veprinskyが来日し、3PAR最新の製品ロードマップ、テクノロジーアップデートを熱く語りました。残念ながらこの記事では詳しい内容を書くことができないのですが、HPEが買収したNimble Storageで使用されている予測分析システム“InfoSight”を3PARにも活用していく計画や、NVMe、SCM(Storage Class Memory)などの最新ストレージ技術の実装計画が盛り込まれており、今後の3PARへの期待が高まる内容となっていました。
続いて、Vish,、Alexの2名にアジアパシフィック地域CTO Paul Haverfieldと日本ヒューレット・パッカードデータセンターハイブリッドクラウド事業統括本部エバンジェリスト高野を加えた4名によるパネルディスカッション「ストレージの今とこれから」が行われました。フラッシュメディアのアジア太平洋地域と日本市場の動向や、今後1年間のHPEストレージ戦略の優先課題などいくつかの題目が議論されました。パブリッククラウドストレージが成功する用途はどこかという議題では、法令順守のために残しておかなければいけないが、読み込み時に課金されると予定外のコストが掛かるので、滅多に読まないようなWORR(Write Once Read Rare)データをクラウドストレージに置いておくという需要が多くなってくるという話がありました。
後半は、HPE ストレージフォーラム2017が開催されました。ここからは、3PARユーザー様だけでなく、事前登録した全てのお客様が参加できます。最新事例の紹介を中心に、以下の5つのセッションが行われました。(セッション内容の概要を紹介します。)
【データセンターの未来~あらゆるモノがコンピュート化する時代~】
Hewlett Packard Enterprise Datacenter & Hybrid Cloud CTO, APJ Region Paul Haverfield
全てがコンピューティング化され、あらゆるものがインターネットにつながることで、データから価値を引き出すことがビジネス上とても重要となっている。HPEは戦略的な買収によりポートフォリオを拡大、また新しいソリューションの研究開発に投資し、市場に製品を投入している。
【オールフラッシュ時代を加速するインテル®の次世代SSDテクノロジー】
インテル株式会社NVMeソリューション・グループ・セールス ストレージ・ソリューション・アーキテクト 松村 浩 様
インテルは次世代不揮発メモリテクノロジーと、その技術を採用したインテルOptane™ SSDを発表した。従来のNAND SSDでは不可能だった、高速化やレイテンシの削減、コスト効率の向上が実現できる。Optaneをキャッシュとして使用することでMySQLの処理が30分から6分に短縮できたなどの事例がある。ホットデータのアクセスにOptane™ SSDを使用して頂きたい。
【IoT実現に向けたITインフラ全体像と活用例】
日本ヒューレット・パッカード株式会社エンタープライズ第一営業統括本部新事業開発室 室長兼通信メディアCTO 重松 隆之
2020年までに208億のIoTデバイスが接続されると予測される中で、IoTのビジネス価値を「活用」すべき時が来ている。しかしIoTを十分に活用するには、様々なテクノロジーを組み合わせ、ITインフラ全体像を定義していく必要がある。従来データセンターで行ってきた処理をエッジで実行(インテリジェントエッジ)するシフトレフトが進んでいる。製造、通信、金融、公共、各業界でのIoT事例で紹介したように、IoTを実現するインフラソリューション(センサーを除く)をHPEは持っている。
【仮想化サービスにおける新ストレージ基盤の導入について】
株式会社NTTPCコミュニケーションズテクノロジー&オペレーション開発本部第一サービステクノロジー部 開発担当 主査 萩原 正浩 様
NTTPCコミュニケーションズのVPSサービスである「WebARENA SuitePRO V4」では、品質にこだわってストレージ基盤を刷新、V3時代の3PARの安定運用実績を評価し、引き続きV4でも3PARの新機種を採用することを決定した。オールフラッシュストレージHPE 3APRStoreServ 20850とディスクバックアップ装置HPE StoreOnce 5100を導入することにより、課題としていたバックアップ時間を、14時間→4時間、3時間→7分と劇的に改善した。フラッシュ導入による性能改善は10倍、3PARの重複排除機能では当初の期待50%を上回る60%節約を実現、さらにFC SANの設定作業を自動化する機能HPE Smart SANにより、運用工数の削減にも成功した。3PARの導入で「WebARENA SuitePRO V4」のストレージ基盤にこれだけの効果が得られた。今後も3PARの新機能に期待している。
【AR/VR/MR、IoT、AI/ディープラーニングなど先進事例から読み解く次世代インフラに必要な要素とは?】
日本ヒューレット・パッカード データセンターハイブリッドクラウド事業統括本部 エバンジェリスト 高野 勝
AR/VR/MRなどのリアルタイム処理やIoT、AI/ディープラーニング、ビッグデータなど次世代のIT基盤にはさまざまな新しいコンポーネントの導入が期待されている。これらを円滑に導入・運用するにはインフラ基盤には何が必要となるのか。AR/VR/MRなどのリアルタイム処理では、フラッシュストレージの導入が進んでいるが、今後はボトルネックとなる部分が、サーバーとストレージをつなぐ経路に、さらには、サーバー内部接続経路に移ってくる。HPEではCPUと不揮発性メモリを超高速接続できるThe Machineというコンピューターを開発している。IoTの分野には、とにかくデータをためることが重要であり、シームレスな拡張性と環境移行が重要である。そのような領域には、HPEのApollo 4000シリーズとソフトウェア定義型ストレージ(SDS)が最適である。AI/ディープラーニングには、エッジ(現場)での監視、予測保全ができるHPE Edgelineを持っている。また、買収したNimble Storageで行われているInfoSightでは、全世界のNimble Storageから収集したビッグデータをAIが分析し、障害予兆を検地、保守の自動化を実現している。
セッション以外にも、会場内には、3PAR, Nimble, StoreOnce, Apollo 4510, SimpliVityなどのHPEストレージ製品の実機が展示されており、途中の休憩時間には、お客様が実機を触りながら、HPE社員の説明に熱心に耳を傾けている姿が見られました。すでに3PARについてはよくご存知のためか、むしろ、新たにHPEの製品ラインナップに加わった、NimbleとSimpliVityの前で説明を受けるお客様が多かったことが印象的でした。
全てのセッションの終了後、情報交換会が行われました。お客様とHPE米国本社ストレージ事業部門エンジニアが直接会話したり、同業種あるいは業種を超えたお客様同士が交流をしていました。セッションを聴講されたお客様の多くが最後まで残って下さり、非常に盛り上がりました。また来年も参加したいという声も多く頂き、改めてHPEストレージへの期待の高さを感じることができました。
いかがでしたでしょうか。この記事をご覧になられた3PARユーザー様で、まだ3PARユーザーフォーラムに参加したことが無いという方は、来年、是非参加してみて下さい。また、ストレージフォーラムでのユーザー事例紹介は、必聴の価値があります。きっとシステム運用の課題解決、ビジネス成長へのヒントが見つけられると思います。
来年の3PARユーザーフォーラム・ストレージフォーラムで皆様とお会いできることを楽しみにしております。
<<文責:ITスペシャリスト 石岡 聡>>
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