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「HPE Synergy」 発表! ~ (2) コンポーザブル って、コンバージドと何が違うの?
2016 年 1 月 27 日に日本国内でも発表させていただいた、
新生 Hewlett Packard Enterprise の新しい製品ライン 「HPE Synergy」。
第 2 回は コンポーザブル (Composable) と、従来型の コンバージド (Converged) や仮想化との違いを、前回と同様に担当エバンジェリストが独特の視点で解説します。
Converged → Hyper-Converged → そして 「Composable」
従来の 「Converged Infrastructure」 「Hyper-Converged Infrastructure」 と、
大手ベンダー各社が取り組みだした 今後のインフラ 「Composable Infrastructure」。
名前が似たこの 2 つ、一体どう違うのでしょう?
実はここ数年、エンタープライズ向けの IT インフラは 3 年くらいの間隔で新しいトレンドが訪れています。
Converged が広く認知され、利用されるようになったのが 2010-2012 年、Hyper-Converged は 2013-2015 年。
そして 2016 年、Composable が世界で初めて製品化され、HPE Synergy が登場します。
統合化 (Converged) の限界が見えてきた。
まずは、現在のトレンドである Converged や Hyper-Converged について見てみましょう。
これらは、現在のトレンドではありますが、ではここ 2 ~ 3 年に導入した世界中の仮想化インフラ・統合基盤が全て Converged Infrastructure や Hyper-Converged Infrastructure かというと、そうではありません。 むしろ 4 割弱といったところです。
なぜ、現実には過半数に満たないのでしょう?
例えば、統合化 (Converged) は統合基盤であるがゆえに、ハードウェアだけでなく、テクノロジーや運用といった 「方式」 もガバナンスを効かせて 1 つに統合しなければなりません。 仮想化方式 だとしたら全員仮想化、しかも VMware や Hyper-V といったハイパーバイザーまでどれか 1 つの方式に絞らなければならないわけです。
「8:2」 で知られる法則のとおり、8 割くらいは統合できるかもしれませんが、2 割くらいはどうしても統合できないものが出てきます。 Converged にすると、これらを 1 つ 1 つ例外対応していかなければなりません。
2025 年までオンプレ仮想化一択で大丈夫?
そして 統合化 (Converged) は、もう 1 つの点で限界が見え始めています。
それは、 「今後も仮想化一択で大丈夫か?」 ということです。
これから選定・構築し、来年~再来年にカットオーバーするシステムの場合、2025 年まで使い続けもおかしくありません。
最近、ユーザーのニーズもあり、 「ベアメタルクラウド」 に参入するクラウドサービス事業者が増えてきました。 「えっ!仮想化からベアメタル (物理) に回帰してるの?」 と思われたかもしれませんが、そうではありません。オブジェクトストレージなど、仮想化と相性があまり良くない新しいテクノロジーが出てきており、そういったニーズを満たすためです。
テクノロジーといった面では Docker に代表される 「コンテナ」 も採用が徐々に進んでいます。 VMware や Microsoft といったハイパーバイザーの開発元すらコンテナ技術の開発に取り組んでおり、製品化間近です。
おそらく、あと 3 年は仮想化だけでも不都合はないでしょう。 しかし、4 年後、東京オリンピックが開催される頃は、コンテナがより便利になっているかもしれません。DevOps が更に伸びているかもしれません。
上位で動くミドルウェアが、5 年後も変わらず 「仮想化が大前提」 というのには リスクが残るのです。
仮想化以外もカバーできる Composable Infrastructure
これに対し、HPE Synergy を始めとする Composable は 前回 もご紹介したとおり 「自由に組み立て可能」 。仮想化だろうが、ベアメタルだろうが、コンテナだろうが、同じインフラでカバーできます。 もちろん、クラウド対応も OK。
仮想化の場合は、仮想マシンの CPU やメモリ・ディスク容量などを好きに組めることが 1 つの特長でした。Composable になると、接続するストレージ (SAN? DAS? SDS?) や、ハイパーバイザーを使うかコンテナを使うか、はたまた何も使わずにベアメタルで構成するかといった部分まで、好きに組むことが可能です。 しかも多くがフルオートやセミオート。これが 大きな安心 につながります。
HPE 以外に Composable を掲げる Intel さん、IBM さん、Cisco Systems さん。 言わずもがなみんな超大手です。 超大手であるがゆえ、サプライヤーやディストリビューター・既存顧客からテクノロジーの成熟動向やユーザーの趣向をより正確に把握する情報網があります。 きっと、我々と同じ懸念を抱き始めて Composable に行きついたのでしょう。
――― と言っても、下記のような考え方のシステムもあるかもしれません。
- いやいや、2022 年までは仮想化で良いよ。 ハイパーバイザーもいつものやつで良いよ
- このシステムは単独で、Composable 化する統合基盤とはあえて別にするよ。
Composable は仮想化も大得意ですので、仮想化だけのシステムももちろん OK です。
しかしながら、「今後 5 年間、絶対に仮想マシン以外は使わない」 「ハイパーバイザーも変えない」 というのであれば、従来どおり仮想化専用機である Converged / Hyper-Converged の方が適材適所かもしれません。
我々 HPE もすべての製品ラインを終息して Composable (HPE Synergy) に一本化するつもりはありません。例えば、あえてシステムごとに用途を特化したい場合や、数百人程度の VDI などでは、もう少し小振りなシステムの方が適していると言えるでしょう。
HPE 日本法人では、日本のお客様の要望に応えて、大人気の Hyper-Converged (HPE HC250 ) のラインナップを更に拡充していく予定です。
写真 「HP HC250」。 大人気のためラインナップを更に拡充します
で、どんな仕組みなの?
インフラ自身のテクノロジーも進化していますし、上位のミドルウェアも変わりつつあります。
「仮想化・統合基盤」 のエバンジェリストである私自身も、置いてけぼりにされないよう、頑張らなくてはならなそうです。
では、そろそろ技術的な話に行きましょう。
(次回につづく)
- 「HPE Synergy」 発表! ~ (1) 世界初のコンポーザブル・インフラストラクチャ
- 「HPE Synergy」 発表! ~ (2) コンポーザブルって、コンバージドと何が違うの? (←)
- 「HPE Synergy」 発表! ~ (3) この形・・・ ブレードサーバー??
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