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ハイパーコンバージドはフェーズ2に!
数年前にはほとんど知られていなかったハイパーコンバージドも、今では多くのIT関係者に知られるところまできました。でも、ハイパーコンバージドの「定義」を聞くと、人によってまちまちです。少なくとも「単なるサーバーとストレージの統合品ではない」というのは共通意見だと思うのですが、それではどれが一体正しいのか?今回はそのあたりを掘り下げてみたいと思います。
一般的なハイパーコンバージドのイメージ
「ハイパーコンバージド」と聞いて多くの方がイメージされるのは、以下のようなものではないでしょうか?
1.高密度サーバーを利用
2.ストレージ機能(Software Defined Strageソフトウェアの実装)
3.自動セットアップツール、管理ツール、ハイパーバイザー等がプリインストール済
もちろん上記のような特徴は正しいと思いますし、初期のハイパーコンバージド製品のほとんどが、これらの要素をを兼ね備えていました。でも本当にこれだけでよいのでしょうか?ハイパーコンバージドはもっと進化しても良いと考えています。ではどのように?
ハードウェアからの解放
ソフトウェアデファインドというものへの期待値の一つとして、「ハードウェアからの解放」というものがあります。 ソフトウェアデファインドストレージ(SDS)を実装しているハイパーコンバージドならば、1種類のサーバーに限定されるのは本来のSDSの良さを失ってしまうのではないでしょうか? 2Uに4サーバーを搭載したハイパーコンバージド製品の場合、サーバーあたりのディスクの本数が少ない、拡張用のスロットが無いので、グラフィックカードや、ネットワークカードを増設できない、といった制約がありました。ストレージ容量がもっとほしいという声もよく聞きます。では一般的なサーバー、2Uで1サーバーというモデルであればどうでしょうか? たとえば世界のベストセラーDL380というサーバーがありますが、こちらならディスクが24本、背面の2スロットをいれると26本実装できます。さらに空きスロットも6スロットもあり、十分な拡張性を実現できます。
世の中クラウドに向かっている
ハードウェアを意識しないで使える究極はやはりクラウドでしょう。クラウドにはそれ以外にも多くのメリットがあります。最新のIDCのレポートによれば、クラウドへのIT投資は引き続き右肩上がり、2020年までは年率13.9%と高い成長率が見込まれています。ではなぜみんなクラウドに行きたがるのでしょうか?その具体的なメリットを分析してみましょう。
クラウドのメリットは様々ですが、私の考える代表的なものを5つ挙げてみます。
- 導入に時間がかからない
- 管理が簡単
- 一度に大きな支出がない従量課金
- 数クリックでサービスインできるセルフサービス
- オンプレとパブリックの連携が容易
セルフサービスとは?
ここで注目したいのは、4番目の特徴、最近よく聞くセルフサービスです。簡単言うとネットショッピングをするように、だれでもアプリケーションやストレージ、仮想マシンまでも払い出しできることです。例えばある社員が新しくアプリを使いたいとしたら、IT管理者にメールで依頼、IT管理者が必要なサーバー・ネットワーク・ストレージを用意してOSやアプリをインストール、こんな作業を全従業員分することになります。数人の会社ならいざ知らす、数千人の社員がいたら、IT管理者はたまったものではありません。これをそれぞれのサービスごとにテンプレート化して、自動的にサービスを提供できるようにします。この仕組み、実は私の会社ではかなり前から導入されています。自分のPCのセットアップからアプリケーションのインストールや共有ストレージ容量の拡張、これら全てを、社長から新入社員まで全員が自分(セルフ)でできるのです。
さてこのセルフサービス、ITインフラを管理者ではなくユーザーが直接使えるようにしたことで、ボトルネックが無くなります。これはいわば使う人数やサービスに対するスケールアウトともいえるでしょう。この機能、実はHPEのハイパーコンバージド製品ではすでに実現しています。スマートフォンが使えれば誰でもリソース管理や仮想マシンの払い出しができます。もちろん場所も選びません。自宅からでも移動中でも、ワークスタイル変革が求められている今の時代に、まさに最適なソリューションではないでしょうか?
英語ですがビデオも公開されています。
これからのハイパーコンバージドに求められるもの
さてハイパーコンバージドの今後はどのようになっていくのでしょう? 私の考える上位3つ列記してみました。
- セルフサービスで自動化を加速
現段階では仮想マシンの払い出しのみですが、今後はコンテナによるアプリケーションの払い出しも簡単になります。当然ベアメタルもクラウドライクに使えるようになります。
- さらに無人化 ロボットの時代に
IT管理者から利用するユーザーに、ITインフラはよりクラウドライクになっていきます。では次に来るのは何でしょう?ロボットの時代、もはやインフラを人が管理したり、拡張したりするのはロボットに任せることになります。この仕組みをコンポーザブルと呼びますが、すでに一部の構成では実現できています。 - 真のSoftware Defined Infrastructure(SDI)へ
目指すところはSoftware Defined Infrastructureです。つまり上記のコンポーザブルの仕組みを利用して、人の介在なく、ソフトウェアが直接ITリソース側に必要なリソースをリクエスト、それに対してインフラ側はロボットが必要なインフラリソースをソフトウェア側にダイナミックに提供するわけです。
さてこのSDIの「I」、実はHPEでは2つの意味があります。Infrastructureだけではないのです。
ではいったい何なのか? それはまた別の記事で紹介します。
【関連リンク】
Growth in Cloud IT Infrastructure Spending Will Accelerate in 2017 Driven by Public Cloud Datacenters and On-Premises Private Cloud Environments, According to IDC
http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS42056416
HPEハイパーコンバージド製品
https://www.hpe.com/jp/ja/integrated-systems/hyper-converged.html
【関連記事】
スーツ選びとインフラ選びの相似性 - Hyper Convergedが世界で伸びているわけ
http://ow.ly/ucr33088SZO
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