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最新Gartner MQ - ハイパーコンバージドだれが一番伸びたか?
HPEが世界で最初のコンバージドシステムを発表してから9年近く経ちますが、多くのベンダーから同様の製品が出てきて、統合システム(Integrated System)といったカテゴリーができました。昨年末にGartnerから、最新Magic Quadrant(以降MQ)が発表されましたが、過去3年間のMQを比較すると、当時はまだ市場に受け入れられにくかったこのカテゴリーの数社が、「リーダー」のポジションに昇格、もはやこの分野は成熟期に達したと言っても過言ではないでしょう。それらのリーダー格の中でも一番伸びているのがHPEです。一番最初にコンバージドシステムという製品を世に送り出したわけですから当然と思われるかもしれませんが、最も伸びているこの分野で一気にジャンプアップするのはたやすいことではありません。今回はその背景について解説します。
コンバージドシステムは成熟期に
当初は少数派だったコンバージドシステムですが、過去3年間のMQを比較してみると、2014年から2015年にかけて新規参入ベンダーが一気に増えました。そして当然ながらそのほとんどが、左下の象限に位置づけされました。ビジョンが高く評価されたスタートアップは縦軸の「実現力」の向上が評価され、右下から右上の象限にランクアップしています。そして最新の2016年のMQを見ると、ほとんどのベンダーはポジションを維持、大きく変化したところは少ないようです。それはある意味この分野の製品が成熟してきたとも解釈できるでしょう。興味深いのは2015年に一気にジャンプアップしたスタートアップの中には、ビジョン(横軸)の評価がほとんど変わらないところもあるということです。先進的な技術を開発し続ける困難さを表す一つの例ともいえるでしょう。一方スタートアップでもないのに一気にジャンプアップしたベンダーもあります。HPEもその1つなのですが、成熟した企業なのになぜ?その理由についてはこの後解説します。
ハイパーコンバージドが市場を牽引
さてその前に、コンバージドシステム(Gartner社ではIntegrated Systemと呼んでいます)市場が伸びている理由について考えてみましょう。明らかにこの分野を牽引しているのがハイパーコンバージド製品です。Gartner社のレポートによるとハイパーコンバージド製品の伸び率は年率79%、売上金額は2016年に20億ドルに達すると予測されています。IT業界の中でも、これだけ伸び率の高いものをを探すのは容易ではありません。それだけ従来型のサーバー+ストレージの構造から、インフラ一体型への急速なコンバージョンが求められているということなのでしょう。本来サーバーもストレージもネットワーク機器も、ハードウェアを比較してみるとコンポーネントはほとんど同じです。CPU、メモリー、ストレージコンポーネントの成熟化と低価格化が相まって、ハイパーコンバージド市場が一気に開花したのだと言えるでしょう。
何がジャンプアップを可能にしたか?
さて冒頭にも触れましたように、現在最も伸びているコンバージドシステムの分野で、大きくジャンプアップしたベンダーの1つにHPEがあります。それではGartner社は何を評価してこのようなポイントを付けたのでしょうか?私なりの解釈でまとめてみました。
1. 幅広い製品群であらゆる用途に対応
HC380投入で拡張性が飛躍的に向上.
大型のコンバージドシステムを最初に製品化したHPEは、ハイパーコンバージドへの参入は容易でした。設計ノウハウもありましたし、ハードウェアとソフトウェアの構成コンポーネントも自社で開発していたのがその理由です。世の中の一般的になイパーコンバージド製品は、専用ハードウェアとして販売されていますが、HPEの場合は本来のソフトウェアデファインドのメリット、つまり汎用ハードウェアでハイパーコンバージドシステムを実現できるようにしました。それが世界でベストセラーのDL380サーバーの登用です。世界中どこでも同じ品質で手に入るこの鉄板サーバーを使うことで、拡張性が飛躍的に伸び、あらゆる用途に使えるようになりました。
2. クラウドソリューションをワンストップで提供できる
プライベートクラウドモデルとAzureモデルの2つのクラウド組み込みモデルを提供
ITの世界がクラウド型に急速に移行していることは紛れもない事実です。とはいえクラウド環境をオンプレで実現するのは簡単ではありません。しかしそれをウイザード型のセットアップツールで3時間程度で構築できるとしたらどうでしょう?ウイザードでクラウドを構築するので、別のソフトウェアを追加で購入したり、手作業でインストールしたりする必要はありません。検証済の最適なハードウェア構成で購入できますので、構築後にリソースが足りないとかそのような心配もいりません。インストール作業はすべて自動化されているので、失敗もありませんね。誰でもハイブリッドクラウドを3時間程度で構築できたら....そんな製品が既に存在しているのです。
3. ハイパーコンバージドの次のロードマップが明確
Synergyラインへのブリッジ
ハイパーコンバージドは今後数年は高い伸び率で推移すると見られていますが、その後はどうなんでしょうか?さらにクラウドライクになっていきます。それはつまり、より自動化が進むということです。もはやウイザードとか使う必要もなく、人間を介さないで、ソフトウェアが必要なリソースを、システム側が自動的に提供するシステムに移行していきます。これをComposable(レゴのように組み変え自在な)インフラストラクチャーと呼びますが、それを実現する製品SynergyをHPEは今年の1/5に出荷開始しました。ハイパーコンバージドの次をすでにリリースしている、そのビジョンと開発力が高く評価されていると考えています。Synergyについてはまた別の記事で紹介します。
次に来るのは何か?
ハイパーコンバージドの次に来るコンポーザブル、それではハイパーコンバージドではもうやることはないのか? というとそうではありません。クライドライクを実現するためには、まだまだやることは残されています。では何をどうしたらよいのでしょうか?次の記事でその所を掘り下げてみたいと思います。
【関連リンク】
Gartner 2016 Magic Quadrant for Integrated Systems,
http://www.gartner.com/newsroom/id/3308017
HPEハイパーコンバージド製品
https://www.hpe.com/jp/ja/integrated-systems/hyper-converged.html
【関連記事】
スーツ選びとインフラ選びの相似性 - Hyper Convergedが世界で伸びているわけ
http://ow.ly/ucr33088SZO
「HPE Synergy」 で実現する「真」のSoftware Defined ストレージ
http://ow.ly/48ks3088Tlt
「HPE Synergy」 で実現する「真」のSoftware Defined ストレージ その2
http://ow.ly/qX3P3088TqU
「HPE Synergy」 発表! ~ (1) 世界初のコンポーザブル・インフラストラクチャ
http://ow.ly/10r3Ho
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