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「HPE Synergy」 で実現する「真」のSoftware Defined ストレージ その2
VM・VDIは「金太郎あめ」
HPE Synergyは、「ITインフラ大量生産時代」の要求に応えるべくして出現しました。大量生産と言えば代表的なのは自動車ですね。従来の手組みからT型フォードの量産モデルになり、自動車が多くの人に行きわたるようになりました。ここで大量生産に必要だったものは何でしょうか? それは「共通化」と「自動化」です。ねじ一本からタイヤのサイズまで、何百通りもあったら効率上がりません、「共通化」が必要です。 また同じ作業を繰り返しする仕組みも必要ですね。これが「自動化」。ではこれを仮にVM(仮想マシン)やVDI(仮想デスクトップ)の製造に置き換えてみるとどうでしょうか? 「金太郎あめ」みたいにどこを切っても同じものができる、一気に100個でも1000個でも、同じVMやVDIが大量生産できればよいですよね。それがHPE Synergyであり、すでに製品化しているハイパーコンバージド製品なんです。
万能のSDSは「Agnostic」(依存なし)と「Simplicity」が重要
ところがある程度自動車が普及してくると、さまざまな違いが求められるようになります。多機能なものからシンプルなもの、ハイパワーなものから燃費の良い車。しかし車種に応じて異なる生産ラインを作っていては、コスト高だし、時間もかかりますから、多少のバリエーションに対応できるような共通で柔軟な生産ラインが必要になってきます。「共通」を裏返すと、「Agnostic」(特定の車種に依存しない)ことが重要になります。また「柔軟性」を追及すると「Simplicity」(シンプルさ)が重要になってきます。HPEのSDSは特定のハードウェアやハイパーバイザーなどに「依存しない(Agnostic)」ストレージサービスで、HPE Synergyからクラウド、ベアメタル(アプライアンス)やソフトウェアライセンスだけのようなプラットフォーム「ベースシャシ」に柔軟に対応できます。さらに、VMware、Microsoft、KVMといいった様々なハイパーバイザー、さらにはコンテナ、多様なクラウドコントローラーにも対応できる共通のデータサービスとして設計されています。 ここさえきちんと作っておけば、今後サーバー等のハードウェア層が変化しても、さらには上位のクラウドコントローラーや管理ツールが新しくなっても、柔軟に対応できるわけです。さらにこの「生産ライン」を1つにすることで、開発、管理、運用コストを最小限にでき、作業者のトレーニングも簡単になります。スピードが上がり、リスクとコストが下がりますね。
SDS出現前から存在していた熟成のソフトウェア型ストレージ
HPEのSDSであるStoreVirtualは、1999年創業の後、2002年にはシンプロビジョニング機能を実装、2003年からiSCSIをサポートし、2007年からはソフトウェアライセンス販売を開始しました。3Par社が開発したとされるシンプロビジョニングを同じ年に製品化していたことも驚きですが、ストレージのライセンス売りも、SDSという言葉が使われるようになる5年も前からすでにやっていたのです。
そんなHPEのSDSはストレージアプライアンスとして使われてきたものをソフトウェアとして切り出しています。そのため、従来のストレージシステムと同様の性能、機能、そして信頼性を最初から備えています。 例えば99.999%の可用性を実現するハイブリッドRAIDが良い例です。最近ではソフトウェアだけでRAIDと同じ機能を実現するものも多いのですが、特に障害時には、CPUやメモリーのリソースを大きく消費してしまうケースがあります。ディスク障害にはハードウェアRAID、ノード障害にはソフトウェアRAIDといったハイブリッド型のRAID構成が現代の最適解と言えます。HPEのSDSはそれ以外にも、アクセスの多いデータをSSDに自動的に移動する、自動ティアリング機能、シンプロビジョニングやシンスナップショット、リモートコピー等の機能も標準搭載されていることが大きな特徴でしょう。またVMwareのVAAIや、サイトまたぎで高可用性を実現するvMSC(vSphere Metro Storage Cluster)やDR機能としてのSRM(Site Recovery Manager)などの認定製品であることも安心材料です。
そのSDSの選び方、正しいですか?
CPUのマルチコア化、メモリー、HDD/SSDの高容量化と低価格化により、汎用サーバーでも、従来のストレージシステムとほぼ同様の性能機能が実現できる時代になってきました。しかしながら、その上でストレージサービスを実現するソフトウェアはまだ新しいものが多いのが現実です。以前からあったといっても、研究機関やクラウドとかで使われているものから派生したものも多く、実際の企業向けアプリケーション、運用にそのまま使えるかどうかはまだ不透明なところも多いといえます。あのLinuxでさえ、企業で使えるようになるまでに15年を要しています。時間の流れが速い今日でも、SDSの熟成には何年もかかるでしょう。SDSに求められている、経済性や管理コストの削減も、肝心のSDSの品質が悪ければまったく意味がないですよね。すでに多くの企業や産業分野で使われてきた安心できるSDSを使うのが理想と言えるでしょう。さらにいえば安定した長期の開発投資ができるかどうかも重要な視点です。HPEが提供するSDSはHPE Synergyにも搭載されますが、今後もHPE全体のポートフォリオのストレージサービスブロックとして、より開発投資を強めていきます。今後でてくる新機能にも是非ご期待ください。
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