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Re: ジェフェリー・ムーア氏からのメッセージ - 未訳の新著 "Zone To Win" を解説! (1) なぜ、次の波を捉えることが難しいのか
去る2016年9月9日、著書「キャズム」で知られるジェフェリー・ムーア氏と共に講演する機会がありました。(Hewlett Packard Enterprise ビジネス・リーダーシップ・フォーラム2016)
ムーア氏には、新著「Zone To Win("勝つためのゾーン"、とでも訳すべきでしょうか。日本語未訳です)」の内容を中心に、「”創造的破壊”の時代に立ち向かうには」と題して基調講演をしていただきました。(動画はこちらから)
ムーア氏に続いて、「デジタル・トランスフォーメーションのパートナーとして-HPEのアプローチ」と題し、弊社による事例やアプローチについて、吉見からお話しました。(動画はこちらから)
最後に、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長 岩佐文夫氏に司会に迎え、パネル・ディスカッションの時間を持ちました。(動画はこちらから)
参加された方からは、ムーア氏のセッションは勿論のこと、フォーラム全体としても、多くのありがたい反響をいただきました。非常に貴重な機会であったと考えています。
ムーア氏には、実はこのフォーラムを含め3回も講演して頂きました。ムーア氏は、各々で参加された方に配慮した分かりやすい例を交え、話をされていました。私自身は、目の前で全ての話を直接聞き、また、前後の打ち合わせや休憩時間に多くのお話を直接することもできました。
このうち1回は弊社の社内向けで、吉見が司会を務めインタラクティブにお話いただきました。弊社がムーア氏を日本に呼んだのは今回が初めてではないとのことを、とある大先輩から伺いました。確かにムーア氏は、ハイテクエレクトロニクス業界だけでなく、弊社自体の歴史にも大変詳しく、社内向けの会では、私も話をしていて大変驚きました。
通しでお話を伺った私(恵まれた機会ですね)にとっては、それぞれの対話が大変エキサイティングであり、書籍「Zone To Win」の様々な行間を埋めるものでもありました。
対話を踏まえたムーア氏のメッセージ、(私なりの解釈や補足が多少なりとも入りますが)貴重な内容と感じましたので、このブログを通じて皆さんにお伝えするのが、お役に立てるのではと考えた次第です。
50 の企業は、なぜ「次の波」に乗り遅れたのか
さて、お読みの皆様のビジネスは波に乗っていますか?乗れそうに感じていますか?
それとも、もしかして、乗り遅れている、とお考えですか?
ムーア氏は、50社強の「『次の波』に乗り遅れた企業(Companies that missed the next wave)」を、自著「ZONE TO WIN」で挙げています。
これらの企業は負け組みでもなく、マネジメントも素晴らしかった、と何度も強調されていました。しかし、例えば、コダックはデジタルカメラの波に乗り遅れた、と例を挙げてています。(ちなみに、私から「富士フィルムさんは、化粧品他のヘルスケア事業を現在展開されているのですよ」と申し上げたところ、大変興味を持たれたようで早速講演で触れていました。)
そこで、ムーア氏は、なぜ、次の波を捉えることが難しいのか、という問題を提起しています。
そして、次の波を捉えるための新事業を既存のポートフォリオ(製品やサービス)に加えるときに、「優先度付けの難しさ(原文では、Crisis of Priortization)」がある、としています。
特に、営業・マーケティング・プロフェッショナルサービス・パートナー開発などのいわゆる「Go To Market」組織でのメンバーの取り合い、既に確立している事業と新しいイニシアチブのにらみ合いなどが原因で、結果として非効率的になりがちである、としています。そして「全ての卵をかごに入れない。かごに入れるは一つの卵だけ」という例え(ムーア氏の真骨頂は、こうした分かりやすい例えですね)を使って、優先度付けの重要さを説いています。
次の波を捉えるのか、波に捉えられるのか、どのような優先度付けが必要で、どのように立ち向かうのか。
そのアプローチを「Zone To Win」は、大変分かりやすく整理しています。
アプローチを説明するのに先だって、ムーア氏は幾つかの枠組みを取り上げています。
一つ目は、「次の波」が、どのレベルで企業にインパクトを与えるか、を整理して理解するための枠組みです。
少々長くなったので、一度ブログを改めます。
(お読みいただきありがとうございました。続きはこちら にて、10/5ころUPの予定です。)
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