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【連載】一歩先行くサーバー HPE ProLiant Gen11 サーバーの特長 その3 ー最適化ー (前編)
皆様こんにちは、日本ヒューレット・パッカードでサーバー担当のプリセールスをしている小森です。
今回はHPE ProLiant Gen11サーバーの3つ目の特長である「最適化」についてです。「最適化」についてはトピックスが多いため2回に分けてお届けします。
HPE ProLiant Gen11サーバーでは新しいテクノロジーを多く採用しています。前編として新しい業界標準のテクノロジーをコンポーネント別にご紹介していきます。後編ではHPE独自の新しいテクノロジーをご紹介します。
CPU (インテル® Xeon® プロセッサー、AMD EPYC™ サーバー・プロセッサー)
HPE ProLiant Gen11サーバーではインテル® Xeon® プロセッサー、AMD EPYC™ サーバー・プロセッサー、Ampere Altra/Altra Max® (ARM)を搭載したサーバーをご用意していますが、この記事では インテル® Xeon® プロセッサー、AMD EPYC™ サーバー・プロセッサーについて触れます。Ampere Altra/Altra Max®を搭載したHPE ProLiant RL300 Gen11サーバーについては別途ご紹介する予定です。
インテル® Xeon® プロセッサー、AMD EPYC™ サーバー・プロセッサー共に第4世代プロセッサーになりました。どちらもコア数が大幅に増えたことと、新しいテクノロジーに対応したことが共通しています。第4世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは最大コア数が60と第3世代の40から1.5倍となりました。第4世代 AMD EPYC™ サーバー・プロセッサーは最大コア数が128と第3世代の64から2倍となりました。
また、インテル® Xeon® プロセッサー、AMD EPYC™ サーバー・プロセッサーは揃って以下の新しいテクノロジーに対応しています。
・DDR5メモリー
・PCIe Gen5
・CXL (Compute Express Link)
これらのテクノロジーにHPE ProLiant Gen11は対応しています。それぞれについてはこの後で詳しく触れたいと思います。
次にインテル® Xeon® プロセッサー、AMD EPYC™ サーバー・プロセッサーの新しくなった点について見ていきましょう。
第 4 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー
4個の半導体チップ(ダイ)で一つのCPUを構成するマルチダイアーキテクチャを新たに採用することで、最大60コアを実現しました。また4ソケット、8ソケットに対応するCPU(型番の最後にHがつく製品)を使って4ソケット搭載のHPE ProLiant DL560 Gen11サーバーが登場しています。
そしてメモリーへの高速なアクセスが必要なハイパフォーマンスコンピューティング向けには、高速で大容量なHigh Bandwidth Memory(HBM)を搭載したインテル® Xeon® CPU Max シリーズ (型番が9で始まるCPU)を製品化しました。インテル® Xeon® CPU Max シリーズはソケットあたり64GBという過去になかったような圧倒的大容量のメモリーをCPUに内蔵し、性能の向上が期待できます。
第4世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを搭載するHPE ProLiantサーバーは、モデル名の末尾が "0"になっています。ラックマウント型の DL110/DL320/DL360/DL380/DL380a/DL560 Gen11と、タワー型の ML110/ML350 Gen11及びブレード型のSY480 Gen11です。
第4世代 AMD EPYC™ サーバー・プロセッサー
リリース時は最大コア数が96でしたが、L3キャッシュ容量を減らしたZen4cコアを使ったコードネームBergamoがリリースされたことで最大コア数が128になりました。コアの増加に対応する形で、メモリーチャネルの数も8から12と1.5倍になりDDR4からDDR5への変更と合わせてCPUからメモリーへの帯域は2倍以上となっています。
ハイパフォーマンスコンピューティング向けには、前世代と同様にAMD 3D V-Cache™テクノロジーを使って L3キャッシュを増やしたCPU(型番の最後にXがつく製品)があります。
第4世代 AMD EPYC™ サーバー・プロセッサーを搭載するHPE ProLiantサーバーは、モデルの末尾が "5"になっています。ラックマウント型の DL325/DL345/DL365/DL385 Gen11です。
メモリーの新規格DDR5メモリー
CPUはコア数を増やすことで性能を大きく向上し続けていますが、これにメモリーの性能向上が追い付かない状況になってきていました。これを解決するために新しいメモリー規格DDR5に対応したメモリーが使われています。DDR4メモリーは2014年に発売されたHPE ProLiant Gen9から導入され、動作周波数を増しながら長い間使われてきました。もう10年近く同じテクノロジーが使われ、DDR4での性能向上には限界が見えてきたことでDDR5へと移行しています。
DDR5の採用により最大動作周波数は 3200MT/secから4800MT/secと 1.5倍高速化しています。またDDR5は今後より高速化していく予定であり、今後しばらくはDDR5の時代が続くと考えています。
インターフェースの新規格PCIe Gen5
各種インターフェースカード、アクセラレーターカードへの接続及び NVMeドライブをRAIDコントローラーなしで接続する際に PCIeを利用しています。
PCIe Gen4規格に対応したのがつい最近のGen10 Plus世代ですが、早くもPCIe Gen5の登場です。PCIe Gen4はGen3に比べて2倍の帯域ですが、Gen5はさらにその2倍の帯域を持ちます。NVIDIA H100のような高速なデータのやり取りが必要なGPUや、Gen4ではPCIeの帯域で性能が制限されてしまう NVMe SSDでPCIe Gen5対応の製品が出てきています。これらの性能をフルに発揮するためには PCIe Gen5が必要です。PCie Gen5が必要な場合には HPE ProLiant Gen11サーバーをご選択ください。
新しいフォームファクターのNVMe SSDドライブEDSFF
ハードディスクから SSDへ、SSDでもSATA/SAS接続からNVMe接続へと移行が進んできていますが、次世代の NVMe SSDとして EDSFF(Enterprise and Data Center SSD Form Factor)という新しいフォームファクターの採用が始まっています。
HPE ProLiant Gen11ではEDSFFのうちE3.Sというフォームファクターに対応しました。EDSFFは従来の2.5インチドライブに比べて幅が狭くなっているため2倍の密度で搭載することが可能です。さらにPCIe Gen5対応の NVMe SSDもEDSFFで登場し性能が向上しています。高性能なNVMe SSDのシーケンシャルリード性能はPCIe Gen4を使っている場合、PCIe Gen4 x 4レーンの帯域で制限され約7GB/sec程度でした。PCIe Gen5に対応することでこの制限を突破し13GB/secを超える性能を実現しています。
より多くの、より高速なドライブを搭載したい場合にはEDSFFをご検討ください。
未来に向けたインターコネクト規格CXL
Compute Express Link(CXL)は、デバイスを接続するインターコネクトの新しい規格です。( https://www.computeexpresslink.org/ )
Intel Xeon, AMD EPYCともに CXL 1.1に対応しており、HPE ProLiant Gen11はサーバーとしてCXLに対応していますが、現時点では対応デバイスがないため活用できません。今後にご期待ください。
今回はHPE ProLiant Gen11サーバーで採用した新しいテクノロジーをコンポーネントごとにご紹介しました。
次回はHPE ProLiant Gen11サーバーならではの新しいテクノロジーについてご紹介します。
参考情報
HPE ProLiant Gen11 サーバーについてはこちら:
HPEまるごと情報局
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