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1980年代からビッグデータに思いを馳せる少年
筆者は、中学生の時、塾が始まる数時間前に、兵庫県伊丹市にある阪急伊丹駅の傍のジャスコ1階の事務機器売り場に展示してあるパソコンをいつも見ていました。お金がないので、そのパソコンの横の書籍コーナーにあるコンピューターの専門書に記されたゲームプログラムや実用ソフトのプログラムの設計図(ソースコード)を片っ端から頭に叩き込んで毎回立ち読みしていたのを覚えています。
当時のパソコンはディスプレイを入れて1台30万円~50万円という価格帯が当たり前でしたので、当然中学生が買えるわけもなく、ソフトウェアの設計図と画面の表示例の絵を見て、コンピューターのソフトウェアが動く様子に思いを馳せるぐらいしかできませんでした。そこに彗星のごとく現れたのが、ポケットコンピューターです。みなさんは、ポケットコンピュータをご存知ですか?一見、電卓のように見えますが、パソコンと同様の配列のキーボードが存在し、集計ソフトや、学生さんの理科の実験ソフト、ゲームなど、いろんなものをプログラミング、実行し、保存することができます。ブラウン管のディスプレイもいらず、通学、通勤で持ち歩けるので、これをもっているだけで、当時のコンピューターに詳しい人の間では、「新人類」という眼差しで見られたそうです。
筆者がゲームプログラミングに明け暮れる1980年代末期、中学生だった筆者のコンピュータは、パソコンでも携帯電話でも旧HPサーバーでもなく、電卓サイズのこの「ポケットコンピューター」でした。親戚のおじさんが、「まさずみくん、パソコンがほしいなら、あげるよ」といわれ、狂喜乱舞したのですが、その後、家で待っていると、母親が帰ってきて、「パソコン、持って帰ってきたよ」という衝撃の一言を発したので、ふと母親を見ると、なんと、母親がスリムな箱に入ったポケットコンピュータ(CASIO PB-100という機種)を抱きかかえていたのです。このときの衝撃といったら半端なく、「パソコンって、ブラウン管とでっかい鍵盤(けんばん)じゃないの?」って思っいていた中学生の筆者の狭い視野が見事に打ち砕かれ、今でいう個人的なイノベーションが起こったのが、まさにこの瞬間でした。
上記2つの写真は、筆者が現在も所有しているポケットコンピュータの一部ですが、2017年現在も、頭の体操に、たまにゲームプログラミングや実用ソフトのプログラミングをします。電車で通勤途中にこれみよがしにこのポケットコンピュータでプログラミングしていると、最新の携帯型ゲーム機やスマホを持っている親子たちが、ゲームの手を完全に止めて、凝視していたり、筆者よりも若いサラリーマンやOLさんから「一体これは何だ?」という感じで凝視されます。なんせ、スマホやタブレットのタッチパネルのご時勢、パソコンのキーボードみたいなボタンと画面が付いている電卓のようなマシンを持ち歩いているというのは、子供たちや知らない大人からすると、ものめずらしく映るのも当然です。
このポケットコンピュータの醍醐味の一つは、限られたCPU能力やメモリ容量にいかに打ち勝ち、魅力的で効率的な(=CPUやメモリ資源を無駄にしない)ソフトウェアを作成するかにあります。コンピューター上でゲームや業務アプリを作るには、「プログラム」と呼ばれる「コンピュータへの命令手順書」をキーボードから打ち込んで、コンピュータに入力し記憶させる必要があります。このコンピュータの命令手順書の出来具合が、いわば、ゲームの面白さや、業務アプリの使い勝手の優劣を左右します。
筆者が当時、ポケットコンピューターで最も困っていたのが、データを保管しておくための記憶容量でした。ポケットコンピューターにおける「データ用の記憶領域」は、現在のような電源OFFでもデータが消えないハードディスクではなく、電池によってデータが保持されるRAMで実装されていました。筆者が親戚のおじさんからいただいたCASIO PB-100は、544ステップという記憶容量です。ステップって何?という感じですが、実は、1ステップが何バイトかは、キチンと仕様を確認していないのでなんともいえないのですが、とにかく総じて1キロバイトにも満たないという、今から比べると、とんでもなく小さい記憶容量です。では、ゲームや実用ソフトを作っていて、データ保管用の記憶領域がなくなったらどうするのか?ポケットコンピューターには、ハードディスクを増設するということはできません。当時は、増設RAMというメモリを増やすことでデータ用の記憶容量を増やしていましたが、増やすといっても、数キロバイト程度の増設ですし、所詮RAMは、RAMです。プログラムやデータ保管用の記憶容量としては、限界があります。そこで、増設RAMにも入りきらない場合は、どうしていたのかというと、筆者の場合は、
「テープ装置にプログラム全体をバックアップし、ポケットコンピューター本体の空きメモリ容量を増やす」
あるいは、
「プログラム実行時に足りないメモリ容量分のデータは、テープ装置に書き込み、大容量のデータを使うときは、テープから読み込んで使用する」
という手段をとっていました。ポケットコンピューターにおけるデータの保管場所は、今でいうハードディスクではなく、メモリ+テープ装置の合わせ技だったのです。テープは、前世紀から現在でも広く利用されているデータバックアップのための媒体ですが、耐久性に優れているという特徴があります。しかし、難点は、スピードです。記録、読み出しに非常に時間がかかるのです。そのため、ポケットコンピューターでのプログラミングにおいては、CPUや内蔵のメモリだけで話が済めば、まだいいのですが、大量の自作のゲームプログラムやデータ、業務で使える実用ソフトを片っ端からプログラミングし、改良して試す、という筆者のようなオタク中学生ユーザーにとっては、記録や読み出しが低速であったとしても、どうしても大容量テープ装置に頼る必要がありました。
国内外問わず、黎明期のパソコンは、ハードディスクが無く、テープ装置やフロッピーディスク(数十キロバイト~1.44メガバイト程度)にデータを記録していました。筆者がまだテープ装置少年だった頃、日本では、まだハードディスクを搭載したパソコンというものが普及していなかった時代に、海外では、ハードディスクを搭載したパソコンが注目を浴び始め、マイクロソフト社のMS-DOS(Microsoft Disk Operating System)が世界を席巻しています。Disk Operating Systemは、その名前のとおり、ディスクのオペレーティングシステム(動作システム)です。当初は、フロッピーディスクなどの記録媒体に書き込まれたMS-DOSをメモリ上にロードした上で、別途、アプリケーションを稼働させていましたが、その後、補助記憶装置であるハードディスクドライブにインストールされたMS-DOSで、コンピュータのCPU、メモリ、周辺機器などのハードウェアの制御やアプリケーションを動かすようになりました。
80年代後半、ハードディスクを搭載したパソコンをコンパックコンピューター(現HPE)が世に送り出すと、海外で爆発的に普及します。しかし、日本では、まだ「ハードディスクを搭載したパソコン」が全くといっていいほど普及せず、外国人が日本にやってきて驚いたことの一つに、「日本のパソコンには、ハードディスクが搭載されていない」という言葉が聞かれるようになります。記憶媒体一つとってみても、日本は世界から見ると、ある意味ガラパゴスだったわけです。この頃、中学生だった筆者は、テープよりも格段に高速にデータを読み書きでき、しかも、パソコンにデータを内蔵できる機械とOS、すなわち、「ハードディスクとMS-DOS」の存在をコンピューターの雑誌で初めて知ります。阪急伊丹駅のジャスコ1階のパソコン売り場で、一人で声を出して驚いたのは、言うまでもありません。「ハードディスク」は、パソコンにソフトウェアを大量に内蔵し、いつでもソフトウェアを高速に読み出して実行でき、すぐさまデータを自由に書き込める。テープ装置少年にとって、無限の可能性が詰まっていたのが、まさに「ハードディスク」だったのです。「やりたいことがたくさんあったけど、大量のプログラムやデータの読み書きを行うには、テープ装置が必要だった。データやプログラムを保持できるメモリ容量も少なく、テープ装置の読み書き速度も遅くて、やりたいことをあきらめていた。しかし、今なら、このテクノロジーで実現できる!」と思えた瞬間でした。もし、ポケットコンピューターのテープ問題を体感していなければ、当時のテープ装置少年にとって、そのような「テープ vs. ハードディスク」という観点を持つことは、決してなかったでしょう。
今から改めて考えてみると、80年代末期から90年代初頭にかけて「ハードディスクを搭載したパソコン」が、あっという間に世界を席巻していったというのも、アプリケーションやデータ利活用の利便性と仕事の効率という点で考えてみれば、妙にうなずけます。
- フロッピーディスク+テープ時代にはできなかった、様々なアプリケーションをハードディスクからリアルタイムに素早く読み込み、従来に比べて格段に大容量データも瞬時に扱える
- ハードディスク上に記録されている様々なデータを使って、より詳細な情報処理を行える
- テープ装置時代のあきらめていた高度な仕事ができるようになり、新しい知見が得られるようになる
これはまさに、現在のビッグデータ分析の世界に通じるものがあります。ビッグデータ分析では、必要な項目やデータの種類、組み合わせが膨大です。そこから、今までには考えられなかった知見を得たり、予測やパターン認識といった知的な情報処理を行います。データをテープに眠らせることなく、いつでもデータを取り出して、利活用する。そして、今まであきらめていたことができるようになった時が「ビッグデータを使いこなした瞬間」です。ポケットコンピューターのテープ時代から比べると、現在は、個人のパソコンでもビッグデータを取り扱える恵まれた時代になりました。そして、2017年現在、最先端のビッグデータ基盤向けのサーバー、さらに、HadoopやSparkといった革新的なビッグデータ分析基盤ソフトウェアの登場により、いまやビッグデータは、企業や組織体の存続を左右する重要な役割を担うようになりました。
HPEで働く筆者は、Hadoopの技術者として、ビッグデータのサーバー基盤をお客様に提案しています。お客様から「あきらめていたことができるようになった」という言葉を聞くと、筆者は、あの少年時代を思い出します。そして、あの少年時代に経験した「ハードディスクとの出会いの衝撃」と同様に、ビッグデータにおける新たな衝撃と出会えることを今も期待しています。塾通いの少年がジャスコの1階で立ち読みしながら夢見ていた世界は、まさに今、ビッグデータで花開こうとしているのかもしれません。
Masazumi Koga (Twitter: @masazumi_koga)
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