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通信事業者での構成情報管理
CTG-Japan
05-30-2023
03:18 PM
- 自己紹介
日本ヒューレット・パッカード合同会社 コミュニケーションテクノロジー事業本部に所属している降旗康敬(Furihata Yasutaka)と申します。
通信事業者向けのソフトウェア製品のプリセールスを担当しており、主にOSS(Operation Support System)ソリューションをお客様に紹介しています。
今回はネットワーク構成情報管理の重要性とその効果的な管理手法について紹介します。 - はじめに
OSSの領域は、顧客の注文、アクティベーション、変更管理を担う“Fulfillment”、エンドユーザーに提供されるサービスの品質の保証を担う“Assurance”、FulfillmentとAssuranceを俯瞰してEnd To Endの自動化を担う“Orchestration”のプロセスがあり、Fulfillment、Assurance、Orchestrationが共通して利用する情報が“Inventory”、構成情報です。 - 構成情報管理
通信事業者ではサービス開通や機器故障による障害対応などの様々なイベントによりネットワークの構成情報は変化し続けるため、その変化に追従する必要があります。下図は通信事業者におけるネットワークのライフサイクルのイメージを記載しています。ライフライクル内の各業務は様々な組織、部署が担い、それぞれの担当者が構成情報に対して登録/更新/削除を行う事になります。
この手段での構成情報管理では、Descriptionの記載方法が統一されていない、ある機器のインタフェースのDescriptionに記載した接続先の機器の情報が間違っている、管理しているドキュメントやデータベースの情報が実際のネットワークの情報と一致していないといった、管理している情報と実際のネットワーク構成に不整合が発生する事態に陥り易くなります。この不整合を解消するためには、不整合を発見した際には都度、機器側の設定やドキュメントを正しい情報に修正し、その上で機器にアクセスして設定変更を行う組織、担当者で共通した記述ルール作りを行う必要があります。しかし、こうした作業には時間、稼働を要するため不整合は解消されず、結局、構成情報を使って業務を行う際には管理している構成情報ではなく、”今、動いている情報”を確認するために機器にアクセスして情報を取得するため、Fulfillment領域でのサービス開通時間の増加、Assurance領域での障害対応時での復旧対応時間の増加につながります。 - 構成情報管理に必要な技術
現況収集するためには機器もしくは機器を管理するEMSへアクセスし、情報を収集する必要があります。ネットワークを構成する機器は様々なベンダー、機種で構成されており、それぞれの機器への情報取得手段、取得可能な情報も様々です。一方、構成情報を利用するFulfillment、Assurance側に対してはベンダーや機種を意識せずに利用可能な情報を提供する必要があります。ベンダー、機種毎に異なる情報の差分を吸収し、統一したフォーマットで構成情報を管理し、構成情報の利用者が必要な情報を提供することが構成情報管理に求められます。
機器またはEMSからの現況収集に当たっては
・機器毎の設定情報(機器のコンフィグの解析)
・機器間の接続情報(Ethernetリンク[CDP/LLDP、ELINE, ELAN, ETREE、MPLSなど]、IPリンク[BGP、OSFP、ISIS、LDPなど])
を収集し、構成情報として格納、外部へ公開するためには
・TMFのSIDモデルなどの標準のデータモデルに正規化して保持
・保持している構成情報に対する参照/登録/更新/削除をするGUIまたはAPIを提供
といった仕組みが必要になります。
・”Resource Inventory”(構成情報管理データベース)
・”Discovery & Reconciliation“(現況収集)
・”Device Configuration Management“(機器設定管理)
の機能を持った製品です。 - 最後に
今回は通信事業者向けOSS領域における構成情報管理を紹介しました。
HPEでは、通信事業者向けのソリューリョンとして様々なソフトウェア製品を提供しています。
HPE TrueviewはHPE TelcoのOSS Fulfillmentソリューションに含まれています。
OSSソリューションには、構成情報管理以外にも、通信事業者の運用とネットワーク自動化を推進するソリューションも提供しておりますので、詳細はこちらの情報をご覧ください。
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