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【連載】導入前のアドバイス – サーバー筐体
連載記事「導入前のアドバイス」 - サーバー筐体編です。
今回は、サーバー筐体の内部まで自社設計開発のHPEならではのポイントをご紹介します。
サーバー筐体
サーバー筐体(きょうたい)とは、プロセッサーやメモリなどを装着するシステムボードや、電源、ストレージといったコンポーネントを納めている箱のことです。x86サーバーの筐体デザインは、サーバーの用途によって変わります。
たとえば、オフィスフロアなどに設置することを前提としたタワー型や、サーバーラックにマウントして使われることを前提としたラックマウント型といったように、それぞれの目的や用途によって最適な筐体を選べるようになっています。また、形状的な違い以外にも、メーカーがどのように、x86サーバーを設計しているかという部分がはっきり出るところとも言えます。
HPE ProLiantサーバーの製品設計のコンセプトとして、HPE ProLiantサーバーおよびその関連製品について、一貫性を維持するという点が挙げられます。これはサーバーのみならずサーバー関連のオプションやソフトウェアを自社開発しているHPEならではのポイントです。
たとえば、HPEは個々の部材を自社で設計開発しているので、ホットプラグ用の部材を交換する際に使うレバーを、レバーの片側を引き上げるだけで扱えるように、共通化を行えます。部材一つ一つの設計の共通化により、全体として物理的な部品の交換プロセスを共通化するといった一貫性を保つことができるのです。
HPE ProLiantサーバーの筐体デザインやソフトウェアツールの操作性などに一貫性を持たせることで、製品毎に新たな手順などを覚える必要が無くなります。その結果として、セットアップ、操作性、保守性といった面で、複雑さの低減と総所有コストの削減につながります。
HPE ProLiantサーバーの一貫性という点で、筐体デザインに関する部分は、LEDインジケーターや、部材の色や形などを共通化しているという点があげられます。
その他、冷却を妨げないようケーブル類は極力使用しないことや、冷却効率を最大限にするために一部の機種ではエアバッフルも使用しています。
そんなHPEならではのポイントを深堀していきたいと思います。
LEDインジケーター
HPE ProLiantサーバーの前面には、サーバーの識別や状況確認のためのフロントパネルLEDがあります。このフロントパネルLEDにより、ネットワークアクセス状況やハードウェア異常などを、LEDの色と点灯・点滅などから一目で把握できます。
サーバーの機種によって若干の違いはありますが、フロントパネルLEDとしてUID(Unit ID:ユニットID)やシステムヘルス、ネットワークアダプター、ドライブ(ハードディスク)、電源などのLEDなどを用意しています。
フロントパネルLEDで、システムの状況やサーバーの識別をあらわすLEDの動作は共通化されています。
たとえば、システム状況を示すLEDでは、正常に起動している場合には緑色で表示されていますが、異常時には障害のレベルにより橙色もしくは赤色で表示されます。なお、オプションにSystems Insight Displayが用意されているサーバーでは、同オプションを搭載することにより、システムボード上のLEDをサーバー前面から確認でき、本体のカバーを開けずに障害位置の特定を行うことが可能です。
また、マシンルーム内やラック内でサーバーを識別するために利用されるUIDには、青色のLEDが使用されています。このUIDはサーバーのUIDボタンを使って点灯させることや、管理ツールなどからリモートで点灯することができるようになっており、複数のサーバーの中から対象のサーバーを探す際に有効に利用できます。またGen10世代から、UIDによるヘルスサマリの表示(iLOの状態表示)やiLOのリセットを行うことも可能です。
そのほかにもネットワークアダプターやハードディスクのアクセスを示すLEDや、電源ボタンと一体化した電源On/Offなどの状態を示すLEDなども用意されています。
タッチポイントカラー
交換時や作業時に手の触れる「タッチポイント」部分の色を塗り分けることで、その部材に対して必要なアクションを、管理者やサービス担当者が一目で理解できるようにしています。
ホットプラグ対応のコンポーネントのタッチポイントはポートワイン(赤)色、交換に先立ちシステムのシャットダウンを必要とするコンポーネントのタッチポイントはスレートブルー(青)色で表現されています。
部材の取り付け・取り外し
筐体のカバー取り外し用ラッチやラックマウント時の固定用ラッチを、ワンタッチで行える共通のデザインにして、取り外しや取り付けを容易にしています。そのほかにもサーバーをラックマウントする時の、ケーブルマネジメント用の部材や、サーバーをラックマウントするときに使用するラックレールも、ドライバー不要にするなど工夫が凝らされています。
ドライブケージの選択
サーバーのモデルによっては、オプションのドライブケージを追加することで、ドライブの搭載数を増やすことができます。
たとえば、DL380 Gen10の8SFFモデルでは、サーバー前面に8SFFドライブケージを標準搭載していますが、オプションのドライブケージの追加により、サーバー前面は10、16、18、24SFF構成、サーバー背面は2、4、6SFF構成のようにドライブケージを増やすことが可能で、合計で最大30台のハードドライブが搭載可能になります。
今回はHPE ProLiantサーバーの筐体内部に関してご紹介いたしました。
自社設計開発のHPEならではのポイントを構成検討の際に抑えていただければと思います。
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