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yoshihiko1989

【連載】導入前のアドバイス – HPE ProLiantサーバー②:HPEサーバーのモデル選択

この記事は2020年12月に更新されました

 

連載記事「導入前のアドバイス」HPE ProLiantサーバー:HPEサーバーモデルの選択編です。

前回は、HPE ProLiantサーバーの歴史とラインナップに関してご紹介しました。

今回は、HPE ProLiantサーバーの命名規則や、販売形態などの情報をご紹介します。

HPE ProLiantサーバー.png

 

HPE ProLiantサーバーの命名規則

製品名の数字の末尾は搭載されているプロセッサーの種類を表しています。末尾が「0」の場合は、Intel のプロセッサーを、「5」の場合はAMDのプロセッサーを搭載しています。

ProLiant _pic2-1.png

例)DL360 Gen10IntelCPUを搭載した300シリーズの1U2ソケットのラックマウントサーバー

  DL385 Gen10AMDCPUを搭載した300シリーズの2U2ソケットのラックマウントサーバー

  ML30 Gen10IntelCPUを搭載した10シリーズの1ソケットのタワーサーバー

 

HPE ProLiant MLとDLの各モデルは、いくつかのシリーズに分類されています。各シリーズの特徴は以下の通りです。

10 (2)シリーズ

小型で価格重視でありながら、遠隔管理機能は iLO 5が標準で搭載されており電源の冗長化をオプションで追加できる*、1プロセッサー搭載のエントリー機として最適なシリーズです。

*:MicroServer Gen10 Plusは電源の冗長化はできません。またiLO 5の機能を使用するにはオプションが必要です。

 

100シリーズ

低価格でありながらも、高性能を維持したシリーズです。プロセッサーとメモリのハードウェアリソースを低価格で導入したい場合に最適です。モデルにより12プロセッサーを搭載可能です。遠隔管理機能はiLO 5が標準で搭載されています。オプションにより電源やファンの冗長化も可能です。

 

300 シリーズ

幅広いニーズにこたえる多彩なオプションをサポートし、管理者にも優しい機能満載の、HPE ProLiant サーバーの主力シリーズです。DL325を除き、最大2プロセッサーまで搭載可能です。(DL3251プロセッサーしか搭載できません。)遠隔管理機能であるiLO 5が標準で搭載されています。

 

500 シリーズ

高性能と高可用性を実現したシリーズです。500 シリーズでは最大4プロセッサーを搭載できます。稼働率が重要視される、大規模なデータベースサーバーやファイルサーバーといった用途に適しています。

販売中のラインナップについては、プロダクトセレクションカタログに掲載の以下の一覧表にてご確認ください。

https://www.hpe.com/jp/ja/doc/general-catalog.html#new

2020.Vol2 時点のサーバースペック早見表2020.Vol2 時点のサーバースペック早見表

  

BTOCTO

BTOはBuild To Orderの略で、特定のプロセッサーとメモリ、RAIDコントローラー、NIC、電源が標準搭載された標準構成カタログモデルで、標準搭載以外のオプション製品を追加して組んでいく方式のモデルです。このBTOモデルは、システム構成図に掲載されています。

対して、CTOCustom to Order またはConfigure to Orderの略で、フルカスタマイズが可能な注文仕様生産モデルのことを言い、CPU、メモリ、OSなど、必要な各コンポーネントそれぞれから、要求に適したものを一から選択して組むことができる方式で、HPE DirectPlus オンラインストア等を通じて構成を組みます。このサイトで発注後に生産が開始されます。

【参考】システム構成図に掲載する、BTOモデル名の読み方【参考】システム構成図に掲載する、BTOモデル名の読み方

システム構成図サイトは以下をご確認ください。

https://www.hpe.com/jp/ja/doc/server-system.html

HPE DirectPlus オンラインストアは以下をご確認ください。

https://h50146.www5.hpe.com/directplus_ent/

 

サーバーモデルの選択

サーバー本体の選択は、各種の拘束条件(フォームファクター・価格・パフォーマンス・仕様など)の要件により決定されます。一般的には最初にサーバーのフォームファクター(タワー型、ラック型、ブレード型)の要件を決定することが多いため、サーバーを設置する場所を確定して、サーバーのフォームファクターの選定をお勧めします。

 

サーバーのフォームファクターの選択の概要

サーバーのフォームファクターを選択する上で、最初に決めなければいけないのが、サーバーを設置する場所です。SOHO環境のようにオフィスエリアに比較的に近い場所に設定するような場合はタワー型、サーバールームにラックを設置可能かすでにラックが存在し、そのラックに空きがあるような場合はラック型、またはブレード型ということになります。

 

サーバーの集約性

サーバー筐体内の拡張性とラック内のサーバーの集約性はトレードオフの関係にあります。

例えば、サーバーの集約性を高めようとすると、サーバーの筐体は小型化することとなり、オプションを内蔵できる余地が減ることになります。集積度を最も重視したブレード型サーバーの場合、ファンや電源モジュールがエンクロージャーに搭載されているため、サーバー本体は非常に小型化されています。その代わりに内蔵できるハードディスクやオプションが少なくなります。さらに、サーバー本体の配線の手間がないため、サーバー増設、交換時などに大きな利点があります。

ブレード型タイプのHPE Synergyでは電源モジュールやファン、スイッチモジュールを搭載しており、各サーバーで共有使用することで、高集約化を実現しているため、規模が大きくなればなるほどデータセンターの設置費用(場所代)や電気代などのTCO削減効果も期待できます。また、フレーム筐体内に管理モジュールが搭載されているので、フレーム筐体内また、Synergyに接続されたHPE Storage製品も含め一括した管理を行えることが強みとなります。

その他条件としては、プロセッサーの種類と増設数を考える必要があります。これは、サーバー本体の仕様の中で変えられない部分の一つであり、システムのパフォーマンスや本体価格に大きな影響を与える部分だからです。また、最大メモリ容量や電源部やファンの冗長構成を組めるかどうかといった点も、サーバー本体の選択の理由となる場合があります。

なお、ディスクの増設台数なども本体選択の要因の1つとなりますが、これらはオプションの追加によりある程度柔軟に対応できる要素なので、二次的な拘束条件であると考えても差し支えはないでしょう。各機能と価格の間には、多くの場合、トレードオフの関係があり、機能をできるだけ満たそうと考えれば価格は上がっていくことになります。そのため、必要となる機能の優先順位を決めて、予算内で最適な選択を行うことが重要です。

理由

内容

構成のヒント

本体価格

サーバー本体価格より、本体を決定

トータル価格約1,000,000

DirectPlus

プロダクトセレクション

単体スペック

与えられたスペック仕様から本体を決定

プロセッサー搭載数2

メモリ搭載量32GB

拡張ボード搭載数3

本体電源二重化構成可能

製品サイト

プロダクトセレクション

他のサーバーやストレージなどを含めたスペック

与えられたスペック・仕様で、本体だけでは要件を満たせず、外部オプションやサーバーなどを加えることで対応できる場合の本体決定

外部ストレージ構成

クラスター構成

システム構成図

用途・目的

既存のパフォーマンス要件などを元にした本体決定

Webサーバーで常時接続250

データベース使用時にレスポンスタイムが2秒以内

DirectPlus(用途で選ぶ)

Whitepaper

各種ベンチマーク

サーバー本体選択の理由と例

本体価格でのサーバー選択

本体の価格でサーバーを決定するという考え方です。一般的には、サーバーのスペックや目的などで検討して、二次的に検討されることが多い項目です。ただし、サーバーの決定要因としてはもっとも大きな拘束条件となります。主として、プロセッサーの種類と数、標準搭載のオプションの種類、冗長機能の有無、などで、サーバー本体の価格が変わります。

HPE ProLiant 10/100シリーズとHPE ProLiant 300/500シリーズの違い

HPEでは、サーバーに対するニーズの多様化に伴い、HPE ProLiant サーバーファミリ―に低価格を追求したHPE ProLiant 10/100シリーズ(以下10/100シリーズ)を用意しています。本体価格が重要な場合には、10/100 シリーズを検討するというのも 1つの選択肢となります。

HPE ProLiant 10/100シリーズと300シリーズ以上の機種の位置づけHPE ProLiant 10/100シリーズと300シリーズ以上の機種の位置づけ

 

単体スペックでのサーバー決定

単体のサーバーで、必要とされているスペックを満たすものを選択するという考え方です。スペックが決定している場合、もっとも容易にサーバーを決定できます。プロセッサーの種類と数を選択した時点で、大体の目安を付けることとなります。さらに、メモリ搭載量、オプションボードなどの条件で決定することができます。逆に言えば、ここでの本体機種の選択により、プロセッサー種類とメモリの増設容量が決定されることになりますので、ここでの選択は重要です。これらは、HPE プロダクトセレクションや、HPE Web ページ上に記載されている製品の仕様と構成情報などを参照して決めることになります。

なお、単体で満たせない場合は、次項の他のサーバーやストレージなどを加えて、要件を満たせるかどうか検討する必要があります。

サーバー本体を選択する要因サーバー本体を選択する要因

 

他のサーバーやストレージなどを含めたスペックでのサーバー決定

サーバー単体では必要とされるスペックを満たせない場合や、サーバーを複数台組み合わせて使用するクラスター構成などの場合は、ストレージなどを含めて構成を検討しなければなりません。基本的な考え方は、単体スペックでのサーバー決定と大きく方法は変わりませんが、必要となるオプションの追加が可能かどうかや、他のサーバーとの関係などについても検討する必要があります。このときの検討内容として、サーバーのパフォーマンス要件なども含まれる場合もあり、一般に、単体スペックでサーバーを決定する場合よりも複雑な作業となります。

以上が、サーバー選定の上で検討する主な項目となります。

実際のご提案の中では、お客様側の用途や目的、ベアメタルで使うのか、仮想化するのか、はたまたコンテナ化するのか、そのうえで動作させるアプリケーション要件に応じて必要なスペックも異なりますし、障害時の許容範囲の決定、冗長構成を検討する場合には、台数自体も異なります。

システムに関する多くの経験や情報も必要となりますので、ぜひ弊社営業までお問い合わせください。

 

「導入前のアドバイス」まとめリンク

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作者について

yoshihiko1989

日本ヒューレット・パッカード株式会社で Server Solution / CloudNative関連のプリセールスを担当しています。