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Masazumi_Koga

エズメラル(Ezmeral)ってどういう意味?

メディアでは語られない「AI流行の影の立役者」

HPE20190301010_0_0_300_cmyk.jpg筆者がAIに携わり始めたのが1996年で今年で25年、HadoopやMapRを始めたのが2011年で10年目に突入し、AI+ビッグデータの情報発信を行うに至ったことは、感慨深いものがあります。

1990年代は、まさに、AI冬の時代。第二次人工知能ブームの末期です。当時、日本の国策でもあった知的情報処理(AI)の研究は、残念ながら実用化できず、「AIをやってみたけど、絶望」という空気が流れ始めた時代です。当時は、「AIは死んだ学門」などと揶揄されたものですが、それから25年が経過し、AIエンジニアは、今や、花形職業になっています。

2021年現在、AIが流行した背景には、GPUの進化やアルゴリズム(計算手順)の新たな発見が大きく貢献したことは確かです。しかし、意外と世間やメディアでも語られないのが、分散型のビッグデータ分析基盤の登場です。高可用性NFSサーバにもなれるHPE Ezmeral Data Fabric(MapR)や安定した分散型ストレージ基盤ソフトウェアなどの登場で、AIで利用する膨大なデータの取り扱いが格段に容易になったという点は見逃せません。

巷では、「エクセルを使ってAIをやろう」といった記事が出てくるので、AIは、個人のパソコンでできるレベルの処理というイメージがあるかもしれません。しかし、大手企業や巨大研究所で本格的に利用される最先端のAI基盤は、とんでもなく膨大なストレージ容量を必要とします。

しかも、AIのモデル(脳みそ)の学習のために必要なデータは、次々とリアルタイムにあらゆる場所から生成され、絶え間なく生成されるデータは、保管しなければなりません。AIというと、斬新な計算手順やGPUが話題に上がりますが、実は、上の写真のように、データセンターの建屋内に鎮座する巨大なビッグデータ基盤が、影の立役者として非常に重要な役割を果たしているのです。

メルセデスベンツとBMWは、HPE EzmeralでAI時代を勝ち抜く覚悟をしている

GettyImages-880913608_1600_0_72_RGB.jpg90年代から機械学習やAIを本格的に実用化しようと頑張っている企業や研究機関で課題だったのが、次々と生成される膨大な学習データをどうやってリアルタイムに取り込んで活用するかということでした。

幸いにも、偶然というか、2010年頃から、Hadoopブームが起こると、データ収集と分析手法が一気に注目されます。しかし、その当時は、ビッグデータを活用できるほどのAIアルゴリズムも今ほど洗練されていませんでした。また、リアルタイムにデータを取り込む「ストリーミング」(次々と生成される膨大な小さいイベントのデータをリアルいタイムに格納するため、イベントストアとも言われる)と呼ばれる仕組みもまだ産声を上げたばかりでした。そのため、残念ながら当時は、ビッグデータ分析基盤とAIが今ほど強い結びつきで活用されなかったのも事実です。

2011年当時の日本のHadoop顧客のデータ量は、高々、数テラバイトから数十テラバイト級でしたが、それから10年以上が経過し、いよいよ、HPE Ezmeral Data FabricMapR)などのスケールアウト型のビッグデータ分析基盤ソフトウェアが、AIのデータ基盤でも本格的に活用されるようになりました。

今や製造業では、当然のようにペタバイト級です。自動車の自動運転の世界では、エクサバイト級が見えてきています。賢いAIの脳みそを作るには、自動車から出るIoTデータ、信号機の画像などを大量に、しかもリアルタイムに取り込まなければなりません。

そのため、BMWメルセデスベンツは、エクサバイト級データの分析とAIの開発を見据え、IoTに対応した高性能ストリーミング、ANSI準拠のSQLを使ったデータ操作、高速インメモリ分析、高可用性NFS、業務停止無くサーバを追加して容量と性能アップを図るといった自動運転の開発基盤に必須の要件を満たせるHPE Ezmeral Data Fabric(MapR)を採用しているのです。

エズメラル(Ezmeral)に託したHPEの思い

エクサバイト級のAI時代を勝ち抜かなければならないお客様に対して、幸いにも、HPE Ezmeralという強力な武器を純正製品として提供できるHPEは、非常に恵まれていると言っても過言ではないでしょう。

エズメラルは、スペイン語のエメラルドが語源になっています。HPEロゴの色であるバイタルグリーンと同じ系統の色を持つ宝石は、エメラルドです。

エメラルドは、パワーと未来の出来事を予測し、知性を強化し、ストレスを和らげ、免疫力を高める能力を授けると信じられています。緑色に光るビッグデータの湖から原石を見つけだし、原石をカットして磨かれた宝石に変え、より美しく価値のあるものとして披露するという意味も込めて、HPE Ezmeralというブランド名とブランドイメージが決められているのです。

緑色の石をお客様の宝石に変えられるのか、湖の底の単なる石ころで終わらせるのか、今まさに、HPEの総合力が試されています。

Masazumi Koga (Twitter: @masazumi_koga)

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作者について

Masazumi_Koga

Hewlett Packard Enterprise認定のオープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリストの古賀政純が技術情報や最新トピックなどをお届けします。保有認定資格:CCAH(Hadoop)/RHCE/RHCVA/Novell CLP/Red Hat OpenStack/EXIN Cloud/HP ASE DataCenter and Cloud等