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Athonetブログ [基本編] 1. Athonetとは

1. 自己紹介
吉川慎二吉川慎二こんにちは、日本ヒューレット・パッカード合同会社 テレコソリューションズ営業本部の吉川 慎二(Yoshikawa Shinji)と申します。通信事業者向けのソフトウェア製品のプリセールスを担当しており、主に コアネットワーク系のソリューションをお客様に紹介しています。

 

 

2. はじめに
本ブログでは数回にわたりAthonetを紹介していきたいと思います。内容については[基本編]と[応用編]を予定しており、[基本編]ではAthonetの基本情報について紹介し、[応用編]では実際にAthonetを操作し、その使いやすさや便利な機能を紹介していきたいと思います。今回は”[基本編] 1. Athonetとは” ということで、Athonetについてご存知でない方を対象にAthonetは何をするものかについて解説します。

3. Athonetとは
Athonetを一言でいい現わすと「コアネットワークのAll in Oneパッケージ製品」となります。コアネットワークとは移動体通信において端末とネットワークを制御・管理するネットワークで、エリアの中であればどこにいても通信を行うことができ移動中でも通信が切れることがないのは、このコアネットワークのおかげであると言えます。そして、携帯電話等の移動体通信が通信を行うときは必ずこのコアネットワーク経由で行われます。

図1:コアネットワークの位置づけ図1:コアネットワークの位置づけ

さて、このコアネットワークですが、様々な役割を持ったNetwork Function (以下NF)が集まってできているネットワークで、NF単位でシステムを個別に構築し各NF間で相互接続することでコアネットワーク全体を形成するのが一般的です。しかし、そのようなコアネットワークを構築するには莫大な資金と労力が必要で、一般的に通信キャリアしか実現することができません。(5G System Overview (3gpp.org) )

図2:5GコアネットワークのNF図2:5GコアネットワークのNF

通信キャリアが日本全国をカバーする大規模コアネットワークを構築している一方、ローカル5Gに代表されるようにプライベートなエリアで移動体通信システムを構築するケースがあり、そのようなプライベートネットワークに導入する目的で開発されたものがAthonet Coreとなります。Athonet CoreはVirtual Machine (以下VM)で提供されますが、そのVMの中にコアネットワークに必要なNFがすべて含まれており、そのVMイメージをデプロイするだけでコアネットワーク全体を構築することができます。
Athonetはコアネットワークが基本ですが、それ以外にも音声通信を行うために必要なAthonet IMS、複数のAthonetを一元管するためのDashboardという製品があります。
図3:Athonet Core図3:Athonet Core


図4:Athonet IMS図4:Athonet IMS

 

図5:Athonet Dashboard図5:Athonet Dashboard

 

3. Athonetの特長
以下にAthonetの特長を列挙します。

  1. 1つのコアで4G/5Gの両方に対応 ー 1つのコアで4Gエリアと5Gエリアを同時にカバーします。
  2. サイト冗長に対応 ー サイト冗長に対応していますので、ビジネスクリティカルな用途に使用可能です。
  3. オンプレでもクラウドでも ー VMでの提供となり、オンプレだけでなくPublic Cloudにも対応しております。
  4. 数多くのRANとの実績 ー Athonetは他社様RANとの接続を前提としているため、どのようなRANでも柔軟に対応できるように設計されています。
  5. 高セキュリティ・高性能 ー OSはAthonet OSという独自のOSでAthonetの動作に最適化されていおり高い脆弱性対策が取られています。また、OSのネットワークモジュールはコアネットワークの通信に特化して最高のパフォーマンスがでるようにカスタマイズされています。
  6. VoNR/VoLTE/ViLTE ー VoLTEだけでなく、VoNR (Voice over NR)やViLTE(Video over LTE)にも対応しています。
  7. 豊富な外部アクセスAPI ー Athonetから情報を取得したり、外部からAthonetに指示を出すためのAPIが豊富に備わっていますので、ITの技術を使ってコアネットワークが操作できます。
  8. 豊富な機能 ー 過去の豊富な事例に対応する形で機能が拡張されてきました。例えば、スライシング、Ethernet PDU Session, Framed Routing, NB-IOT, 4G Roaming, Emergency Serviceなど。
  9. マルチテナント ー Dashboardを使うことでマルチテナントに対応します。

 

4. Athonetの評価・実績

Athonetは過去Mobile World CongressやCritical Communications World等のイベントにて高い評価を得ており、様々な賞を受賞しております。2024年のMobile World CongressでもMobile Techのカテゴリーにて”CTO Choice: Outstanding Mobile Technology Award"と"Best Mobile Security Solution"の2冠に輝いています。(Global Mobile Awards )

図6:MWC2024 Athonet Award図6:MWC2024 Athonet Award

また、Athonetのその長い歴史とともにグローバルで450社以上実績を持っていますが、日本でも様々なUE/CPEやRAN接続した実績あります。

 UE/CPERAN
4G (sXGP)iPhone, AQUOS

A社, U社

5G

Panasonic Connect, NEC, 住友電工, KYOCERA, HYTEC INTER, Compal, Pegatron, Askey, NECマグナスコミュニケーションズ, NOKIA, D-Link

NEC, Compal, QCT, Airspan, LITEON, Askey, NECマグナスコミュニケーションズ, Pegatron, htc

表1:日本での接続試験実績

5. まとめ
今回はAthonetの導入として、Athonetの基本とその特徴について解説しましたがいかがでしたでしょうか?次回はAthonetのユースケースに焦点を当てて、通常のローカル5G以外の使い方について解説します。

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作者について

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テレコソリューションズ営業本部は、通信事業者様向けにエッジからクラウドまでオープンソリューションを提供しています。私たちと一緒に5G、エッジ、クラウドを生かしたネットワークで新たな収益を生み出すイノベーションを推進しましょう!