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【連載:あなたの知らないITIL】(2)DXと「死の受容」
みなさん、こんにちは。HPE教育サービスの小熊坂です。【連載:あなたの知らないITIL】第2弾です。今回はDXを扱います。
ある銀行の事務員への宣告
「来年の4月から、あなたには営業部に異動してもらいます」。長年、事務作業に従事していた住吉さん(仮名)は、突然の辞令に耳を疑いました。「4月というとあと3か月しかない。聞けば自分だけでなく、いまの部にいる全員が対象とのこと。」住吉さんは頭が真っ白になりました。
数々の不安が湧いてきます。「営業なんてやったことがない」、「なぜ自分が?他にも人は大勢いるだろう」、「勤務地は?給料は?評価基準は?」、「そもそも会社に残れるのか?」。
DXが求める人的変化
最近、DX(デジタル・トランスフォーメーション)によって業務の自動化が進み、事務職の配置転換が増えています。特に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIの導入により、定型業務はシステムで処理できるようになり、企業は従業員をより「価値を生む仕事」にシフトさせる傾向があります。特に金融業界では会社の規模も大きいので、1,000人単位の職種転換も見られます。住吉さんに限らず、気が進まない異動に直面する人は多いのです。
技術と違い人は感情を持っています。DXではこれが障壁になります。わからないこと、自分にメリットがないこと、既得権益を脅かすことを、人は嫌がります。嫌がる理由も人それぞれなので厄介です。しかし彼らの感情を放置すると、やがて抵抗勢力となります。それは不協力、生産性の低下、離職、職場の雰囲気の悪化をまねき、DXは当初予定していた成果をあげられません。例えば、住吉さんの会社では自動化による生産性の向上とコスト削減、営業職の人数を増やすことによる売り上げ増を目指していたはずですが、人が変わらなければ目標は達成できないでしょう。人間の感情に向き合うことなしにDXは成功しません。
変化曲線
変化曲線というモデルがあります。キューブラー・ロスという精神科医が提唱した「死の受容」プロセスを発展させたものです。「死の受容」とは、死や重大な喪失を受け入れる際の心理の動きをモデル化したものです。変化曲線はこれを拡張し、主にビジネスで組織変革を進める際の組織や個人が変化に適応するためのプロセスとして役立つことが知られています。DXで働き方が大幅に変わる場合は、ぜひ導入したいモデルです。
変化曲線
変化曲線
変化曲線には次の段階があります。各々の段階で、当事者の心理と対処法を説明します。
否認
突然、組織の変更が告げられます。住吉さんのような変更の影響を受ける当事者にとっては、変化を初めて知る段階です。まず固まり、次に「今のやり方で問題ない。」、「変わる必要はない。」と、否定または無視します。
この段階で重要なのはコミュニケーションです。変更の理由など、その影響を受ける人が知りたい情報を、適切なタイミングで提供します。相談窓口などのコミュニケーション・チャネルを作ると良いでしょう。変更を牽引するリーダーがメッセージを発信し、危機感を生み出すことも重要です。変化よりも、現状にとどまるリスクの方がずっと高いと感じると、人は動くものです。
怒り
この段階の反応は怒りです。「なぜ私なのか!」、「誰が言い出したんだ!」など、感情が高まり、責める相手を探します。
ここでは、変更が人に与える影響と、その反応を予測します。細心の注意を払って、その人の言葉に耳を傾け、怒りの理由を理解して、タイミングよくそれを緩和するアクションを起こします。場合によっては、怒りや不満をぶつける場を作り、サポートする機会を設けることも重要です。
取引
この段階になるとようやく、変化が起きることを理解します。その一方で逃げ道を探します。「異動は来年にしてくれ。そのかわり。。。」といった取引です。変化の影響を受けない別の部署に異動することを試みるかもしれません。
重要なのは、提供できないことを約束しないことです。変化を受け入れる見返りとして、会社と従業員の両方が納得できる何かがあれば、積極的に活用します。
抑うつ
この段階では、変更が避けられないことを悟ります。「もうどうでもいい」と気分は落ち込み、何をするのも億劫になります。内にこもり、他者からのサポートを拒否します。悲観し絶望します。業務成績も下がります。
ここではサポートと理解が欠かせません。カウンセリングを提供したり、同じ経験をした人を紹介したりするのもよいでしょう。孤立感を持たせないこと、サポートが準備されていることを知ってもらうことが重要です。
テスト
変化に対する理解が進み、抑うつから抜け出す段階です。変化に適用できるようにトレーニングを受けるなど、新しい仕事の方法を試します。探求と学習が行われます。変更プロセスの転換点です。
この段階では、変化の意味を理解、学習、テストするための十分な時間を確保することが重要です。住吉さんの場合は営業トレーニングを受講してもらいます。大抵、人は変化の準備ができていると感じると前向きになります。
受容
変更を受け入れ、前進する段階です。自らの行動に責任を持ち始めます。最初は抵抗を感じながらの受容かもしれませんが、時間とともに積極的な受容に変わります。
仕事が変わる人へのサポートは続けます。重要なのは成功を祝うことです。組織として改革が成功したことを祝い、変更の利害関係者全員を祝福します。祝うことにより、次の変化を円滑に進めることができるようになります。
以上が変化曲線の概要です。もちろん例外もあるでしょうし、感情の変化のスピードも人によってまちまちです。ただ、丁寧なコミュニケーションによって、変化すべき人の現在の心理状態を把握し、適切な対応をとれば、前向きな態度に導くことができるのです。人が変化に前向きになれば、DXの成功可能性も高まります。
ITIL🄬の組織変更の管理
ITILでは、組織変更の管理プラクティスの中で変化曲線を説明しています。組織変更の管理は、変更に対する人の感情に寄り添うプラクティスです。改善には変更が伴い、変更には働き方、行動、役割、価値観などの人の変化が求められます。組織変更の管理の目的は、抵抗を減らし、変更の価値を理解してもらい、改善の効果を永続的に維持することです。
DXを成功させるためには、変化曲線だけでは不十分です。利害関係者管理、コミュニケーション計画、フィードバックチャネルの構築と運用、抵抗管理、強化戦略などの取り組みも欠かせません。組織変更の管理では、必要なことをすべて説明しています。
詳しくはITIL研修で
HPE教育サービスでは、ITILの研修を幅広く提供しています。詳しくはこちらをご参照ください。
https://education.hpe.com/jp/ja/training/portfolio/itsm.html
組織変更の管理は以下の研修で解説しています。
- HU0C5S ITIL® 4 ストラテジスト:方向付け、計画および改善<含認定試験> (DPI:Direct, Plan & Improve)
教育サービス部トップ:
http://www.hpe.com/jp/education
参考文献
エリザベス・キューブラー・ロス (著), 鈴木 晶 (翻訳) - 「死ぬ瞬間-死とその過程について」、中公文庫.
「ITIL🄬プラクティショナガイダンス」
「ITIL🄬 4 ストラテジスト:方向付け、計画および改善」
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