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【連載:あなたの知らないITIL】(3)結婚式と真実の瞬間
みなさん、こんにちは。HPE教育サービスの小熊坂です。【連載:あなたの知らないITIL】第3回は、顧客体験を扱います。
結婚式場選び
まずご紹介するのは、結婚式場仲介サービスのWebサイトに書き込まれた、結婚式場 The Sumiyoshi Tokyo (仮名)に対する参加者からのコメントです(一部変えています)。
「式場の不手際で、用意していた動画が途中で止まった。飲み物のオーダーミスもあり、新郎新婦が可哀想だった」、「ブライダルフェアで、スタッフ間の連携が取れておらず人によって説明が違った」
これを読んで、この会場を選ぶ人は多くないと思われます。
顧客の購買行動の変化
企業やサービスのイメージは、比較サイトやSNS、YouTuberの動画などに影響されます。インターネットやスマホの普及により、消費者は企業が発信する情報だけでなく、自ら情報を検索・比較・検討するようになりました。The Sumiyoshi Tokyoの公式サイトがいかに洗練していても、口コミがそれを否定し、顧客が遠のきます。
企業広告に依存した従来型のマーケティング手法は限界を迎えており、企業は顧客の行動プロセス全体を可視化し、適切なタイミングで最適な情報や体験を提供することが求められるようになりました。
カスタマージャーニー
そのために有効な概念がカスタマージャーニー(Customer Journey)です。カスタマージャーニーとは、顧客がある商品やサービスを知り、購入・利用し、最終的にリピートや使用をやめるまでのエンドツーエンドの体験や行動の流れを指します。企業はこのジャーニーを理解し、最適化することで、より良い顧客体験を実現し、顧客満足度やロイヤルティを向上させることができます。
ITIL🄬では、カスタマージャーニーを次のような段階に分類しています。
これを結婚式に当てはめて考えてみます。新郎新婦側と式場側の各々の行動をまとめました。
探求(期待の把握と情報収集)
新郎新婦:どんな結婚式にしたいかを考えます。SNSや口コミサイトを参考にしたり、知人や自身の体験をもとにイメージを膨らませたりします。予算や時期をざっくり決めるのもこの段階です。ゼクシィなどを見て、どんな式場があるか調べます。
式場:ターゲット市場を理解します。ブログやSNSを強化し、潜在顧客の関心を引くことが重要です。インフルエンサーを活用し、認知度を向上することも検討します。競合する同業社を研究します。
エンゲージ(新郎新婦と式場の関係構築)
新郎新婦:気になる式場をリストアップし、口コミ・費用・プランを比較します。有望な会場のブライダルフェアや見学会に参加して、期待を満足してくれる式場か、信頼できるかを評価します。不安が残る式場は候補から外します。
式場:ブライダルフェアなどで顧客との接点を持ちます。また、オンラインの相談カウンターやチャットボットを活用して、スムーズな関係構築を目指します。新郎新婦と信頼関係を構築できるかがカギとなります。
提案(見積もりとプラン設計)
新郎新婦:式場のプランナーと相談します。希望に合ったプランを検討し、料金やオプション(料理、演出、装花など)の提案と見積もりを受け取ります。また日程や予約状況を確認します。
式場:顧客の要望をヒアリングし、適切な提案を行います。パーソナライズされた提案(カスタムプラン、特典)を提供し、顧客の関心を高めます。
合意(交渉と契約締結)
新郎新婦:式場を決定し、挙式日程・ゲスト数・基本プランを確定します。内金を支払い、契約を締結します。
式場:契約プロセスをスムーズに進めるために電子契約・オンライン決済を導入し、顧客の負担を軽減します。顧客の不安を解消するために、FAQ・カスタマーサポートの強化や式当日の担当プランナーの紹介などを実施します。
オンボーディング(準備)
新郎新婦:結婚式が成功するよう準備します。式場の施設の使用方法などの説明を受け、理解します。招待状の作成、ゲストリストの確定、ドレス・装花・音楽・料理・演出の選定、進行表の作成、リハーサルの実施など多岐にわたります。
式場:結婚式の成功に向けて顧客を支援します。顧客がスムーズに準備できるよう、タスク管理ツールや専用アプリの提供が有効です。チャットサポートやビデオ相談でプランナーとのコミュニケーションを円滑化することで、準備のストレスを軽減することが可能です。
共創(結婚式当日)
新郎新婦:スタッフとの連携を取りながら、理想の結婚式を実現します。
式場:リアルタイム進行管理システムなどを活用し、式のスムーズな進行をサポートします。プランナーやスタッフの適切な配置と対応で、満足度の向上を目指します。「予期せぬトラブル対応のシナリオ」を用意して備えます。顧客と協働して式を成功させます。
実現(カスタマージャーニーの判定)
新郎新婦:式だけでなく、最初に式場を知ったときからこれまでの体験を振り返ります。式は大成功でも、準備にもたついたり費用が大幅に高くついたりすると、友人には勧めないかもしれません。これらの体験はSNSや口コミサイトによって拡散されます。
式場:アンケートによる満足度の確認やフィードバックの入手を行います。式は成功したか、契約を適切に履行したか、トラブル対応は妥当だったかなどのレビューを行い、必要に応じて改善計画を立てます。
このように、新郎新婦(顧客)と結婚式場(サービスプロバイダ)の間には、様々な間接的・直接的な接点があります。すべてが顧客の体験であり、どれも軽んじることができません。
真実の瞬間
真実の瞬間(Moment of Truth)という概念があります。顧客がブランドや商品・サービスと接触し、その評価や購買意欲に大きな影響を与える重要な瞬間のことです。スカンジナビア航空の元CEOが提唱し、Googleなどの大手企業がさらに発展させたもので、現代のマーケティングにおいて重要な考え方となっています。
冒頭にご紹介した口コミでは、動画が停止したインシデント、オーダーミスといった出来事が、新郎新婦や出席者の感情を深く傷付けています。これらはネガティブな瞬間です。The Sumiyoshi Tokyoの洗練された公式サイトを見て良い印象を持ち、候補に加えることにした場合はポジティブな瞬間といえます。
カスタマージャーニーと真実の瞬間は密接に関連しています。カスタマージャーニーは、顧客が式場と接点を持つエンドツーエンドの流れを示します。これに対し真実の瞬間は、その中で顧客の印象や意思決定に大きな影響を与える重要な出来事を指します。真実の瞬間を意識した施策が、カスタマージャーニーの最適化につながるのです。
今回は結婚式をテーマにしましたが、カスタマージャーニーはAmazonのようなEコマース、スターバックスのようなカフェ、SpotifyのようなSaaSなど、あらゆるビジネスモデルに適用できます。ITILのフレームワークを適用すると、サービスプロバイダは顧客との関係を長期的に捉え、一貫した顧客体験を提供できるようになります。
詳しくはITIL研修で
HPE教育サービスでは、ITILの研修を幅広く提供しています。詳しくはこちらをご参照ください。
https://education.hpe.com/jp/ja/training/portfolio/itsm.html
カスタマージャーニーや真実の瞬間は、以下の研修で解説しています。
- HU0C3S ITIL® 4 スペシャリスト:利害関係者の価値を主導<含認定試験> (DSV :Drive Stakeholder Value)
教育サービス部トップ:
http://www.hpe.com/jp/education
参考文献
「ITIL🄬 4 スペシャリスト:利害関係者の価値を主導」
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