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hkomori

【連載】一歩先行くサーバー HPE ProLiant Gen11 サーバーの特長 その3 ー最適化ー (後編)

HPE ProLiant Gen11サーバーの3つ目の特長である「最適化」を2回に分けてご紹介する後編です。

前編はこちらから。

 

特定用途向けサーバー筐体

最近サーバーの使われ方に変化が出てきています。代表的なものがGPUを使うケースです。それも処理性能の高いGPUを、1つではなく複数個搭載して使うようになってきています。この場合に考慮が必要になるのが、スペースと冷却です。

処理性能の高いGPUの代表はNVIDIA A100, H100などでディープラーニングの学習や、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けに使われます。これらのGPUはダブルワイドと呼ばれる大きさを持ちPCIeスロット2つ分の厚さがあります。しかもPCIeカードとして最大の横幅(フルワイド)と奥行(フルレングス)があるため、搭載できるPCIeスロットのスペースが必要です。ダブルワイドのGPU4枚搭載するためには、従来通りの搭載位置である2Uサーバー後部のPCIeスロットではスペースが足りません。

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また、NVIDIA H100TDPは最大で350Wあり、最新世代のハイエンドCPUと同じ程度となっています。このため多くの電力が必要ですし、最大4つ搭載するとかなりの熱が発生します。効率的に冷却するには前面から取り入れた冷たい空気に最初に触れたほうがよいためサーバーの前面に配置したほうが有利です。

このようなスペースの制約と冷却の効率性を考慮して、HPE ProLiant Gen11サーバーでは前面にGPUを搭載する GPU専用筐体を用意しました。さらに機種によっては 4つのパワーサプライを搭載でき、供給できる電源容量を増やすとともに、GPU用の電源とそれ以外のサーバー電源を分けて構成することで相互に影響が及ばないような構成が可能となっています。

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一方で、SDS(Software Defined Storage)HCI(Hyper Converged Infrastructure)を使うために、大量のサーバー内蔵ストレージを搭載したいという要求が出てきています。このために、内蔵ストレージを多数搭載できる筐体も用意しています。

例えば DL385 Gen11 48SFF筐体です。前面のストレージベイの後ろにもう一つストレージベイがあり 2.5インチのドライブを合計で48本搭載できます。2.5インチのSSDには15.36TBのものがありますので、合計737TB搭載できます。

また、1Uサーバーで容量の大きなハードディスクを多数搭載したいという要求に応えるためには、DL320 Gen11 12LFF筐体があります。ドライブベイが3段になっており、1Uですが 3.5インチドライブを12本搭載できます。20TBのハードディスクを使うと合計 240TBになります。

 

多用途向けと特定用途向け

 このように、特定用途向けのサーバーが使われるケースが出てきている一方で、従来のようにどのような用途にも使えるサーバーに対する要求も依然として大きなものがあります。HPE ProLiant Gen11サーバーでは、ラインナップの中心となる DL360 Gen11DL380 Gen11については従来通り多用途向けのサーバーとし、これ以外については特定用途向けを用意するという考え方をしています。

一般用途向けでは実現できない、2UサーバーでダブルワイドGPU4つ搭載したい、1UサーバーでもダブルワイドGPUを搭載したいという要求に対しては、DL380a Gen11, DL385 Gen11 GPU筐体, DL320 Gen11 GPU筐体, DL365 GPU筐体といった特定用途向けサーバーで実現できるようになっています。HPE ProLiant Gen11サーバーをご検討いただければ、幅広い用途に対応できる幅広い製品バリエーションから最適なモデルを選定いただけます。

 

冷却

冷却は現在のサーバーで最大の課題の一つと言ってよいと思います。

ほとんどの構成では今まで通りの空冷で問題ないのですが、非常に多くのコアのCPUを使って GPUを搭載するような構成では、空冷の限界に近い構成になってしまう場合があります。ヒートシンクの大型化などで空冷の能力向上を図っていますが限界があります。

これを補うため、冷却しづらい1Uのサーバー向けにHPEスマートリキッドクーリングを導入しました。ヒートシンクの代わりに搭載し、内蔵されているポンプを使ってチューブ内の液体を循環できるようになっています。CPUの熱で温度が上がった液体はファンの前面に配置したラジエーターで冷やされてCPUに戻ってきて冷却するという動きをします。これにより、空冷だけの場合よりもよりCPUを冷やすことが可能になります。データセンターに特別な設備は不要ですので導入のハードルも高くありません。

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それでも冷却能力が不足する場合や、設備投資をしてでも電力消費量を減らしたい場合に向けて外部液冷のオプションも用意しました。データセンターに給水・排水の設備を用意することが必要ですが、空冷よりも効率的な冷却が可能です。特別な設備の用意が必要なため普及には時間がかかると思いますが、液冷に対応するデータセンターも出てきていますので、徐々に普及していくと考えています。

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ブート専用ドライブ

 HPE ProLiant Gen10 Plusサーバーで NS204i-pという、480GBM.2 NVMeドライブを2枚搭載して自動的にミラーリングする小型のデバイスをブート用ドライブとして導入しました。ドライブケージを使わずにOS用の領域を確保できることと、RAIDカードなしでもOS領域のミラーリングができることが利点です。VMwareなどの仮想化環境でブートドライブとデータ用ストレージのコントローラーを分けたい場合や、OS領域を安価に構成することために使えます。

HPE ProLiant Gen11サーバーでは改良型の NS204i-uを導入しました。PCIeスロットを消費せずにすむようになったのと、サーバー外部からのアクセスを可能な取り付けにしてホットスワップできるようにしたのが改良点です。RAIDカードと2.5インチドライブでOS領域を確保することが多かったと思いますが、今後はRAIDカードもドライブスロットも消費せずにOS領域を用意できます。

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2回に分けてご紹介してきましたが、HPE ProLiant Gen11サーバーは前世代から性能を大きく向上させるとともに、様々な用途に応じた選択肢をご用意しています。従来の使い方に加えて、AI学習などの新しいワークロードに向けても是非ご検討ください。

 

参考情報

 HPE ProLiant Gen11 サーバーについてはこちら:

http://www.hpe.com/jp/gen11

 

HPEまるごと情報局

https://www.hpe.com/jp/index

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作者について

hkomori

日本ヒューレット・パッカードで、サーバー、ビッグデータ、OEM関連のプリセールスを担当しています。