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NaomiN

AIを用いたデータ分析により利益を最大化するプラットフォームの考え方について(ECサイトでの広告費を例に)

日本でもAI普及率は徐々に高まっており、特にEC業界ではその活用が進んでいます。

 

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今回のブログでは、ECサイトでの広告費を例に、AIを用いたデータ分析により利益を最大化するプラットフォームの考え方を、Pointnext事業統括 ハイブリッドクラウドソリューション部 シニアコンサルタント 吉岡 祐が解説します。

 

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はじめに

CRMを用いて客様情報を管理して継続して商品を購入してもらうパターンとは別に、お客様情報を気にせず多くの商品を販売する場合には、広告費が販売費の30%程度を上回り営業利益が赤字化してしまう事が散見されています。例えばこれらを解決するには、各製品の経費を見える化していくことが重要です。その上で製品毎の利益を最大化する広告費等の設定を行う事で利益を最大化していきます。

 

データ収集

まず大きなポイントは販売が決まっていない残り在庫状況を把握した上での広告設定になります。在庫が無い状況で広告を配信してしまっては利益の最大化は実現できません。そこで販売が決定していない在庫の情報をリアルタイムで入手する事が求められます。次に現在の広告費になります。検索毎のワード入札金額やブランド広告等様々ありますが、今回はワード入札金額についての金額を最適化する事にフォーカスします。その為には、表示数、クリック数、販売数及び金額を把握する必要があります。この時に売上データ、在庫数、在庫期間データと広告データは異なるソフトウェアで管理されている事が多いので、各データベースから情報をデータウェアハウスに収集していきます。更にお客様の声など文章の場合は辞書を作成した上でポジティブネガティブなどの点数化を行います。

 

データ加工

全てのデータがCSV形式の上にExcel等で管理できるレベルであれば問題はありませんが、多くの場合、行と列のサイズが膨大になる為に、パフォーマンスの問題から高速のデータベースを使用する必要があります。加えてSQLベースでのデータとJSON形式のオブジェクトで管理されているデータソースが混在する事が多々あります。また、データアクセスなどはテキスト形式になる事もあります。これらすべてをSQLベースでのデータに加工した上でデータウェアハウスに集積させていきます。



■データベース

テキストベースで収集されるアクセスデータなどはHadoopHive等を用いてSQLLikeに操作させる事で収集させていきます。JSON形式の場合は必要な情報のみに絞ったうえでSQLデータベースへと変換させていきます。この際にETLツールを用いるかPython等で加工を行います。この時、カラム形式のデータ圧縮の出来るデータベースへバッチ処理で収集させていきます。この際に検索が高速なデータベースを選択する事が重要です。

 

 

データガバナンスとセキュリティ

これらのデータを誰が扱えるのか、承認プロセスはどうするのか、更にはセキュリティ等をきちんと決めていくデータガバナンスも重要になります。この時セキュリティについてはネットワークパケット全てを監視するNDRを用いた分析が有効に働きます。

 

■AI分析

被説明変数を商品販売とした時の説明変数で影響度が高いものを特定していきます。各説明変数の検定を行いデータを用いる事が可能である事の確認を行った上で重相関を用いて影響度を確認した上で必要な項目に絞ります。

次にニューラルネットワーク等を用いたクラス分類を用いて効果の有無を分けていきます。最終的に広告費を設定していくプログラムを作成していきます。この時にロジスティック回帰分析やサポートベクターマシン等を用いた機械学習など幾つかの分析手法の比較検討を行い、一番最適なものを用います。

この時に多くの新しいプログラムが作成されていきますので、Kubernetes上のDockerで開発、テスト、本番を分けるような仕組みにしておく事が重要です。また、GPUをはじめとするCPU、メモリ等のノード間管理についても最適化しておきます。

 

 

自動化

広告費を設定したプログラムをソフトウェアやカスタムプログラムでスケジュール設定する事で利益を最大化していきます。AI分析で学習し作成したxmlファイルを用いてよりリアルタイムな最適化を実現させていきます。同時に競合他社の動きも監視する事で自動的な価格変動や広告費変更等も自動化させていきます。

 

 

分析データの確認
これらの結果をビジネスインテリジェンスの概念でグラフ化し可視化させ、定期的に人の目で確認する事も大切です。この時にどのようなグラフ表示にしておくのかがとても大切になります。

 

 

弊社にはこれらを実現する為のプラットフォームや各種ソフトウェアとサービスについてご予算にあわせた最適な組み合わせについて長年の経験と実績があります。

上記の中でサポートが必要な時には是非弊社営業に声をおかけ頂けましたら幸いです。

 

 

 

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作者について

NaomiN

Pointnext事業統括 コンサルティングビジネス開発部