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K_Matsushima

HPE Linux技術情報サイトの歩き方~CentOS代替ディストビューション情報について~

こんにちは、日本ヒューレット・パッカード合同会社でプリセールスをしております松島です。

今回は、2月7日のブログ記事「20年以上毎日情報を更新!HPE Linux技術情報サイトの歩き方」でご紹介したHPE Linux技術情報サイトご利用の一例として、Linux技術情報サイトで提供しているCentOS代替ディストリビューションの情報についてご説明します。

Linux技術情報サイトのトップページはこちらから:https://www.hpe.com/jp/linux

まずおさらいとして、CentOSの現在の状況ですが、CentOSは従来のRHEL (Red Hat Enterprise Linux)のダウンストリーム(下流)である互換ディストリビューションとしての位置づけから、CentOS StreamというRHELリリースの為のアップストリーム(上流)のプラットフォームへと移行しました。この変更により、従来のRHEL互換としてのCentOSは、CentOS 7がRHEL 7と同様に2024年6月30まで継続されるものの、CentOS 8は既に2021年12月31日で終了、CentOS 9はリリースされない事となりました。
また、現在継続しているCentOS 7に関しても、例えばHPEの最新サーバーであるProLiant Gen11ではRHEL 7は認定の対象外となるように、これから導入する環境ではRHEL7互換のCentOS 7の選択肢も実質なくなりつつあります。

そこでCentOSに代わるRHEL互換ディストリビューションの主な候補としては、CentOSと同じようにコミュニティで開発されるRHEL互換ディストリビューションであるAlmaLinuxとRocky Linuxや、その他Oracle社が開発するOracle Linux、日本のサイバートラスト社が開発するMIRACLE LINUX等が考えられます。

今回は、AlmaLinuxとRocky Linuxに関連してLinuxが技術情報サイトで公開している情報についてご説明します。

AlmaLinuxとRocky Linux に対するHPEの対応方針

まず、AlmaLinuxとRocky Linux に対するHPEの対応方針については、サーバーの各Linux対応表の、Community Enterprise Linux (CentOS, Alma Linux, Rocky Linux)で説明されています。

 

 

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英語で記載されていますが、ポイントとなるのは以下となります。

・RHELで認定されたサーバはCommunity Enterprise Linuxでも動作するものと想定します。

・HPEはCommunity Enterprise Linuxに対しMCP (Management Component Pack)での管理ツール群を提供します。

・HPEはCommunity Enterprise Linuxインストール環境に対しオフラインでのfirmware updateを提供します。

・HPEはCommunity Enterprise Linuxに対応したdriverは提供しません。

上記のように、従来HPEのCentOSに対する方針と変更はなく、CentOSに対する対応方針をAlmaLinuxとRocky Linuxにも踏襲しています。

それでは、これらについてLinux技術情報サイトで提供されている情報を以下でご説明します。

 

AlmaLinuxとRocky Linuxのサーバ・オプション対応状況

AlmaLinuxとRocky Linuxのサーバ・オプション対応状況については、Linux技術情報サイトの「OS対応表」の中でAlmaLinux・Rocky Linux が準拠するRHELのサーバ・オプション対応状況を提供しています。
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AlmaLinuxとRocky Linux用の管理ツール群

Linux技術情報サイトの「技術情報」の中で、AlmaLinuxとRocky Linux用の管理ツール群であるMCP (Management Component Pack)の各バージョン情報を提供しています。

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AlmaLinuxとRocky Linuxでのfirmware update

HPEはRHEL及びSLES (SUSE Linux Enterprise Server)用にHPE製driver・管理tool群・firmwareを提供するSPP (Service Pack for ProLiant)というパッケージを提供しています。このSPPメディアからbootするオフライン環境では、Linuxディストリビューションに依存しない、オフラインでのfirmware update機能を提供します。
Linux技術情報サイトの「ソフトウェア」の中で、SPPによるオフラインでのfirmwareの適用手順を画像付きで解説しています。

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AlmaLinuxとRocky LinuxでのRHEL用 driverの流用について

HPEはAlmaLinuxとRocky Linux用にdriverは提供していない為、AlmaLinuxとRocky Linuxに標準装備されているdriverを使用する事になりますが、別途SPPで提供されているRHEL用のHPE製driverを流用する事は技術的に可能です。その場合、SPPで提供されるインストーラであるSUMではなく、通常のLinuxのrpmコマンドで各driverパッケージをインストールできます。但し、あくまでRHEL用に提供されているdriverですので、AlmaLinuxとRocky Linuxでの流用はユーザリスクとなる事にご注意ください。
SPPについては、Linux技術情報サイトの「技術情報」の中で、各バージョンのSPPの技術情報を提供しています。

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以上、今回はLinux技術情報サイトのご利用一例として、CentOS代替ディストリビューションの情報をご説明いたしました。HPEのLinux技術情報サイトが、皆様のLinuxに関する情報収集・問題解決の手助けとなれば幸いです。

作者について

K_Matsushima

日本ヒューレット・パッカード合同会社で Server ・Lnux関連のプリセールスを担当しています。

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